阿賀町五十島に残る持倉鉱山跡を産業遺産として保存しようと、町民有志らが動き始めた。
産業遺産に詳しい専門家を招き、初の勉強会を開催。跡地を見学するツアーも実施。
新潟県阿賀町の持倉鉱山跡には「からみれんが」で作られた事務所跡が残る。
持倉鉱山は、江戸時代中期に採掘が始まったとされ、1920年に閉山。現在残っている事務所跡は、銅の精錬で出る「からみれんが」で造られ、アーチ型の窓枠などが神殿のように見えると注目されている。
有志が企画した勉強会は11月12日に町公民館で開かれ、明治以降の産業遺産に詳しい熊本学園大講師の市原猛志さんが講演。町や町議会、地元住民ら20人が参加した。
市原さんは、「からみれんが」は耐久性が弱く現存する建築物が少ないとし、持倉鉱山の文化財的価値を説明。産業遺産学会が認定する「推薦産業遺産」制度を紹介し、「法的な法的な保証はない制度だが、話題や注目を集める。急いで申請し、認定を受けた方がいい」と促した。
13日には鉱山見学ツアーが行われた。阿賀まちづくり株式会社が主催し、新潟市や阿賀野市などから約20人が参加した。
今後は、有志が計画し、産業遺産登録に向けて、動きが活発化しそうだ。