4年間でがん罹患者の来院数が約4倍に!クレアージュエイジングケアクリニック「アピアランスケア セミナー」を開催 発毛治療の専門家 浜中聡子医師・アートメイクアーティストの看護師が登壇

2024/11/01  医療法人 社団ウェルエイジング Dクリニック東京 ウィメンズ 

乳がん治療等による、見た目の変化の苦痛を和らげるケアについて、頭髪治療・メディカルアートメイクの観点で解説

発毛治療のほか、美容皮膚、アートメイクといった診療科目も設置し、女性のライフステージによって変化する髪・肌・ホルモンバランスに関するお悩みに対して複合的な治療を提供する「クレアージュエイジングケアクリニック」(以下、クレアージュ)は、10月の乳がん啓発ピンクリボン月間に合わせ、2024年10月16日(水)に「アピアランスケア セミナー」を開催いたしました。



日本人女性の乳がん罹患数は年間約9万人で、罹患率は増加していますが、ピンクリボンなどによる意識変化や検診・治療の発展により、早期発見と治療の進歩によって死亡率は若干低下しています。一方、がん患者にとっては「退院」でがん治療が終わるわけではありません。退院後も再発のリスクや、社会復帰に向けて様々な精神的・肉体的・社会的不安がつきまといます。特に女性にとって外見の変化は社会復帰における大きなハードルとなっているのです。がん自体は治るようになってきた今こそ、がん治療の“その後”に対する特別なケアやサポートが患者から必要とされており、「アピアランス(外見)ケア」が注目されています。

今回、10月のピンクリボン月間に際して、「アピアランスケア」という視点からセミナーを実施いたしました。クレアージュでは、「後遺症抜け毛治療」のメニューを用意しており、、がん治療等による頭髪の脱毛に対して治療を行っています。また、メディカルアートメイクでは、眉毛・まつ毛の脱毛に対してアートメイクを施術することで、見た目の印象の変化を軽減する提案も行っております。本セミナーでは、女性の髪の毛に関するエキスパート・クレアージュ総院長の浜中聡子医師と、クレアージュ東京 エイジングケアクリニック アートメイクアーティストであり看護師の木村明日美氏が登壇し、それぞれの領域からアピランスケアについて解説いたしました。

※参考:後遺症抜け毛治療について・・・https://www.womenshealth-tokyo.com/ladies/sequelae/

抗がん剤治療後の抜け毛に対するアピアランスケアについて(浜中 聡子医師)



本セミナーの前半では、17年にわたり女性の薄毛治療を行う、女性の髪の毛に関するエキスパート・クレアージュ総院長の浜中聡子医師が、がん治療に伴う脱毛症状について、脱毛のメカニズムや女性専門頭髪外来での治療法等を解説いたしました。

■がん患者における、アピアランスケアの必要性について
「アピアランスケア」とは、厚生労働省において「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア」と定義されています。がんの治療中・治療後も社会とつながりながら生活する必要がある中で、外見の変化による不安が、社会生活や仕事、学業に影響を及ぼすこともあります。外見は自尊心や尊厳に関わる重要な要素であるため、そのケアは非常に重要であると言えます。

がん治療にともなうアピアランス変化は頭髪や、皮膚や爪、浮腫など様々にあり、がんの宣告以前とは全く異なるストレスにさらされ、慢性化することも多々あります。クレアージュではその中でも「頭髪」を専門に、「後遺症外来」を設置しており、がん治療による後遺症、またコロナ抜け毛の後遺症の方々を受け付けています。

■がん治療によって頭髪の脱毛が起こる背景
多くの方が「放射線療法」によって頭髪の脱毛が起こるのでは、と考えがちなのですが、実は放射線は照射した部位にのみ脱毛が起こります。脱毛の程度は放射線照射量や、照射方向、個々の体質などによって異なります。頭部の放射線治療の場合、照射した放射線の量によっては髪の毛が生えてこないケースもありますが、乳がんにおいては放射線治療による脱毛は起こりにくいのです。

頭部のがん治療以外は、多くの場合、化学療法(抗がん剤治療)によって脱毛が起こります。薬剤(細胞障害性抗がん薬・分子標的薬)ががん細胞のみならず正常細胞にまで影響することにより、細胞分裂の活発な毛母細胞が強い影響を受け脱毛をきたします。多くの方がご自身で調べた内容や、医師からの説明によって脱毛については理解していても、実際に脱毛が始まるとかなり動揺される方が多いのです。
脱毛の程度は、すべて抜ける場合もあれば薄毛になる程度の場合もあるなど、症状は様々。治療開始後、約2~3週間後に抜け始め、多くの場合、治療が終わると再び生え始め、2~3カ月で数mm程度の長さに伸び、ショートカットの状態になるまでに半年~1年程度を要します。

髪の毛が生えても、スムーズに治療前の状態に戻るのではなく、髪質が細く納毛化したり、色素にも影響がでるため黒髪の方でも白髪になってしまったりと影響があります。毛根の反応も治療前より落ちてしまうため毛密度の低下や発毛速度の鈍化が起こってしまい、髪のボリュームが戻らないという悩みを抱える方も多いのです。
薬剤によっても脱毛の度合いは異なりますが、「ドセタキセル」や「パクリタキセル」のような強い薬剤の場合は8割強ほど髪の毛が抜けてしまう症状が起こり得ます。薬剤は年齢や遺伝子などによって検討されますが、基本的にはがんを治療することが優先なため、「抜け毛が嫌から薬を変える」という選択肢は取られないのが事実です。

■治療時期と脱毛について

がんが発覚し、抗がん剤治療を開始すると、一般的に2~3週間で脱毛症状が起き始めます。抗がん剤投与が終了し、おおよそ1か月後ほどに柔らかい“うぶ毛”のような毛が生えてきますが、元の髪質とは異なる毛が生えてくることや、元の毛の量とも異なる場合も往々にしてあります。抗がん剤投与が終了した場合にもまた別の抗がん剤を改めて試すこともあるため、その場合新しい毛が生える時期は後ろ倒しとなります。また、乳がんでホルモン治療を行う場合、女性ホルモンの働きを落とすため、さらに髪質が柔らかく細くうねって乾燥してしまうこともあります。また、女性の加齢変化の影響により、なかなか頭頂部が生えてこないというケースもあるのです。

■クレアージュでのアピアランスケアとしての頭髪治療



従来はウィッグ、スカーフ、帽子など、「カモフラージュ」がほとんどでしたが、頭髪治療という選択肢の認知度が高まったことで、「自身の髪を生やす」ことに重点を置き、クレアージュに治療に訪れていただく方が年々増加し、2016年から2023年では来院者数は4倍に増えております。
発毛治療で来院されるがん患者様の部位の割合は、乳がんが57%と、その半数を占めています。また、2位は子宮がんであり、婦人科系のがんが上位を占めていますが、その理由としては女性のホルモンに影響する、脱毛しやすい薬剤を用いた抗がん剤治療をされている割合が多いためと考えられます。女性で最も死亡率が高いのは大腸がんですが、大腸がんで使用する薬はあまり抜け毛に影響がしないので割合が少なくなっています。

■がん治療例に対する頭髪治療
体の負担にならないように必要最低限のお薬の使用を心掛け、高濃度発毛外用薬の使用がメインになります。必要に応じて、サプリメント製剤や点滴を追加することもあります。抗がん剤の影響などにより皮膚が敏感になっている場合などは、頭皮専用保湿剤を併用するなど、細心の注意が必要です。

▼クレアージュにおける治療事例 (39歳女性 外用治療例)
X年9~12月:右乳癌 抗がん剤治療で全脱化
X年12月:腋窩リンパ節郭清、右胸部分切除
X+1年2~3月:放射線治療
現在治療なし
(半年ごとの経過観察のみ)
X+1年4月頃より新生毛を認めたが、特に頭頂部の回復が悪く来院へ


■最後に…
浜中医師は、「がん治療の化学療法によってこれだけ抜けるという事実を、知っているようで知らない方もまだ多いかなと思います。もちろんウィッグなども一つのおしゃれとして取り入れていただくことも素敵ですが、やっぱり患者様ご本人にとっては『もとの状態に戻りたい』という気持ちが大きいのではないでしょうか。自分の髪の毛を取り戻したいと思ったときに、脱毛に対して治療ができるということは、アピアランスケアの手段の一つとして知っていただきたいです。」と締めくくりました。

メディカルアートメイクによるアピアランスケアについて(看護師・木村 明日美氏)



続いて、セミナー後半では、アートメイクの症例件数3,000件以上の豊富な施術実績を持つ、クレアージュ東京 エイジングケアクリニック アートメイクアーティスト 看護師の木村明日美氏が登壇しました。眉毛・まつ毛等の脱毛症状で悩まれる方に対して抗がん剤治療前後に行うアートメイク施術など、メディカルアートメイクによるアピアランスケアについて解説しました。




■メディカルアートメイクとアピアランスケアについて


メディカルアートメイクとは、皮膚の浅い部分に針(ニードル)を用いて色を入れていく施術のことです。汗や水などでも落ちないため、メイクを落とした後も素顔に自信を持つことができます。医療従事者が行う医療行為であるため、一般的なサロンなどでは施術が受けられません。アートメイクのイメージとして、「“海苔を貼ったような眉毛”になるのでは」と考えられる方も多いのですが、実際には施術直後から外出できるほど自然に仕上げることができます。
クレアージュのメディカルアートメイクが考えるアピアランスケアとは、「がん治療をはじめ、その他の疾患によって失われた部分やケガ・手術による傷跡に対し、医療アートメイクで外見の変化に対する苦痛の軽減をサポート」と捉えています。がん治療以外の疾患においても、見た目の変化による精神的苦痛をアートメイクで軽減することを、積極的に行っています。

■アートメイクによる、眉毛のアートメイク

抗がん剤治療による副作用は頭髪だけではなく、眉毛やまつ毛も抜ける方も多くいらっしゃいます。
特に眉毛に関しては顔の8割の印象を決めると言われており、眉毛がないことで人相が大きく変わってしまうのです。(上図)

がん治療や脱毛症によって眉毛が抜けてしまった患者様からは、「自宅でふと鏡に映った眉のない自分を見ると怖い、見るたびにショックを受ける」というお声や、「家族に見られるのがストレス」というお声も良く伺います。
「化粧をすればいいのでは?」と考えられる方もいるかと思いますが、眉毛がない状態で化粧をするのはゼロから形を作らなければならず、眉毛を書く位置が分からなかったり、左右差が出てしまったり、とかなり時間がかかってしまいストレスになることがあります。

アートメイクで表現することで、そのような精神的苦痛を緩和することに繋がります。抗がん剤治療前に施術していただく方が良いですが、治療中でも主治医の許可があれば施術を受けることが可能です。クレアージュにおけるがん患者様の眉毛アートメイクの事例は2パターンあります。特に2.のパターンでは、脱毛前になるべくご自身のお顔の写真を残しておくことで、より脱毛前の印象に近づけることができます。

1. 抗がん剤治療前、眉毛が抜けてしまう前に、生えている自眉に合わせてアートメイクを入れる
2. 抗がん剤治療後に、脱毛前の写真や普段のメイクをもとに、眉毛を再現する

■アートメイクによる、まつ毛脱毛のアピアランスケア
脱毛症や抗がん剤治療などでまつ毛が抜けてしまった方、ストレスでまつ毛を抜いてしまう方が、アイラインアートメイクを受けられる事例もあります。アイラインの位置にアートメイクを入れることで本来のまつ毛の位置に色が入るので“まつ毛が生えてない感”が改善されます。

■眉の傷跡に対するアートメイク
皮膚に深い傷を負うと、毛穴が失われ、毛が生えてこなくなることがあります。アートメイクを行うことで、目立ってしまう傷跡を簡単にカバーすることが可能です。とある患者様は、幼少期に転んだことで眉毛を縫った際の傷跡があり、強いコンプレックスを持たれていました。常に前髪で眉毛を隠して、風が吹くたびに強いストレスを感じていらっしゃいましたが、アートメイクで傷跡をカバーしたことでストレスもなくなり、「前髪を作らないヘアスタイルも楽しめて嬉しい」というお声をいただきました。


■最後に…
アーティストの木村氏は、「アートメイクの施術をされた後に、よく患者様からいただくお言葉として、「もっと早く知っておけばよかった」「もう少しでも早くアートメイクをやっておけば人生が楽しかったのではないか」と言っていただくことがあります。選択肢として“知っているけどやらない”のと、“知らなくて出来ていない”というのは大きな違いだと思います。一人でも多くの方に選択肢として知っていただけたらいいなと思います。」と、自身の想いと共に語り、イベントを締めくくりました。

登壇者プロフィール


浜中 聡子(はまなか さとこ)


経歴
北里大学医学部卒業
北里大学大学院医療系研究科 臨床医科学群精神科学修了
2009年10月:AACクリニック銀座院長
2017年3月 :ウィメンズヘルスクリニック東京院長に就任
2019年7月 : Dクリニック東京に院名変更
現在、クレア―ジュ東京エイジングケアクリニック院長に至る
17年にわたり女性の薄毛治療を行い、年間1万人以上の臨床実績を誇る。


木村 明日美(きむら あすみ)

クレアージュ東京 エイジングケアクリニック アートメイクアーティスト 看護師。
総合病院で勤務後、都内の美容クリニックで2年間勤務したのち、クレアージュ東京に入職。看護師資格でアートメイクの施術ができることを知り、お客様と相談しながら理想的な美を追求するアートメイクの奥深さに感銘を受けアーティストを志す。
現在では症例件数3,000件以上、多くの指名を受け、2か月先の予約まで埋まることもある人気アーティスト。

クレアージュ東京 エイジングケアクリニック概要 


クレアージュは発毛治療を中心とした女性の悩みに寄り添うクリニックです。
1999年より業界で先駆けて女性専門の発毛治療を開始し、開院から24年間で60万人※もの治療を行ってきました。クリニックには、頭髪(女性薄毛外来・産後抜け毛外来・美髪外来・後遺症抜け毛外来)・美容皮膚・アートメイクの診療科目を設置し、特に頭髪治療は、Dクリニック 東京ウィメンズ時代から16年以上の臨床実績で培った治療内容をご提供しています。女性のライフステージによって変化する、髪・肌などのエイジングに関する悩みを、患者様お一人おひとりのライフステージに寄り添った複合的な治療をご提供できることがクレアージュの特徴です。
※1999年7月~2023年12月 クレアージュグループ延べ患者数
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック公式HP:https://www.womenshealth-tokyo.com/


クリニック名:クレアージュ東京 エイジングケアクリニック
所在地   :東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル 北館17F
院長     :浜中聡子
診療科目  :頭髪(女性薄毛外来・産後抜け毛外来・美髪外来・後遺症抜け毛外来)・更年期外来・
       美容皮膚外来・アートメイク

ホームページ:https://www.womenshealth-tokyo.com/

クレアージュが提供するアートメイク「クレアート」とは


メディカルアートメイクとは、皮膚の浅い部分に針(ニードル)を用いて色を入れていくメイク術のことです。汗や水などでも落ちないため、メイクを落とした後も素顔に自信を持つことができます。クレアージュのメディカルアートメイク「クレアート」では、骨格や表情に合わせてデザインを再現する技術をもって、症例数10,000件以上の豊富な施術経験によって患者様お一人お一人に合ったデザインを忠実に再現します。また、今だけでなく「この先」も考えたデザインのご提案を大切にしており、一度施すと数年は消えないからこそ、この先のお顔の変化も考慮し、どの瞬間にも似合うデザインをご提案します。患者さまのご希望に合ったデザインになっているか、3回の段階的な施術によって確認・修正をしつつ理想的な形・色味に仕上げていくことができます。

クレアージュアートメイク 公式HP:https://www.womenshealth-tokyo.com/artmake/

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