2024 年 10 月 4 日
学校法人早稲田大学
東京電力ホールディングス株式会社
早稲田大学と東京電力ホールディングス株式会社
カーボンニュートラル社会実現に向けた DR 市場構築を推進
~経済産業省「特定新需要開拓事業活動計画」認定を取得~
学校法人早稲田大学(所在地:東京都新宿区、理事長:田中愛治、以下「早稲田大学」)および
東京電力ホールディングス株式会社(所在地:東京都千代田区、代表執行役社長:小早川智明、以下「東電 HD」)はこのたび、経済産業省が新設した計画認定制度「特定新需要開拓事業活動計画」(以下、本計画)の認定を取得しました。本制度は企業と大学等が共同で実施する研究開発の標準化と知的財産を一体的に活用する「オープン&クローズ戦略」の策定などを促進するものです。
今後、早稲田大学と東電 HD は産学連携による低電圧領域の需要家設備(低圧リソース※1)の安定電源化・調整力化に資する市場環境整備を目的にオープン&クローズ戦略を策定し、その実現を目指すことによりカーボンニュートラル社会に寄与してまいります。
■認定取得の経緯
早稲田大学と東電 HD は 2022 年 12 月、「カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携に関する基本協定」※2を締結し、研究・教育や人材交流の強化を図る多面的な共同研究を進めてきました。こうした中、低圧リソースのデマンドレスポンス(DR)※3市場の構築に資するには誰もが市場取引に参加できるようなルールや制度の整備、共通的な通信方法および機器の標準化などの必要性が明らかとなりました。そのため、電力系統側、需要側双方の観点から俯瞰的かつ公平な視点での解決を図ろうと本計画に申請し、認定を取得しました。
■計画の背景
高電圧領域の需要家設備(高圧リソース※4)の DR について、東京電力グループは指令方法の確立や料金メニューの構築、系統用蓄電池の導入などにより、お客さまへ経済的価値を提供しています。 一方、設備量が圧倒的に多い一般家庭などに設置されている低圧リソースを DR 機器として活用することで、再生可能エネルギー利用の最大化が可能となります。このため、本計画では「カーボンニュートラルに向けた低圧リソースの安定電源化・調整力化に資する市場環境整備」を目的にオープン&クローズ戦略を策定してまいります。
■実施内容
最終的には家庭内のさまざまな機器を電力系統に参加可能な DR 機器と捉え、安定電源として確立する必要があると考えていますが、実現には各機器を制御可能な標準規格が不可?です。このため、東京電力グループが有する電力ネットワークの特性や電力市場運用の特質に関する知?、卓越大学院プログラム※5などにも参画している早稲田大学のアカデミアの知を統合し、さまざまな機器メーカーが DR 対応製品を開発することが可能となる製品規格、ネットワーク参加者のための制御規格などを標準化し、低圧リソースにおける DR 市場の構築を進めてまいります。
また、海外の DR 市場への展開を視野に、早期から国際規格の制定に携わることで、DR 機器の基礎開発の段階から将来の標準化を?据えた活動を推進していきます。さらに、未来の国際標準化博士専門人材の輩出に向け、早稲田大学において国際標準化に関するセミナーや講義を設置する予定です。教育を支援、強化するとともに、普及啓発に関するコンテンツの作成、国際標準化教育の評価と広報活動により、国際的に活躍できる人材の育成を目指します。
※1:太陽光発電、蓄電池、電気自動車、エアコン、ヒートポンプ給湯機など一般家庭に多く設置されている機器
※2:2022 年 12 月 13 日プレス「学校法人早稲田大学と東京電力ホールディングス株式会社カーボンニュートラル社会の実現に向けた包括連携に関する基本協定を締結」
※3:電力の需要と供給のバランスをとる制御方法
※4:メガソーラー、系統用蓄電池、大型風力、蓄熱槽等の設備
※5:PEP:早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム(国内 13 大学の連携による電力・エネルギー
分野専門人材育成の博士人材育成プログラム
以上