中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。
2024年12月27日
ルンスミオ点滴静注、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対し、日本で製造販売承認を取得
- 過去に少なくとも2つの標準治療を受け再発を繰り返した濾胞性リンパ腫の患者さんに対して、ルンスミオ単剤治療は、高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる新たな治療選択肢
- 患者さんの治療効果に応じ投与期間があらかじめ定められていることから、治療に伴う患者さんの負担軽減が期待される
中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗悪性腫瘍剤/抗CD20/CD3ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ルンスミオ点滴静注®1mg」および「ルンスミオ点滴静注®30mg」(一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え))について、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を適応として、本日、厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。ルンスミオはCD20/CD3に対するT細胞誘導性バイスペシフィック抗体で、高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる新たな治療選択肢になります。また、治療期間は患者さんの治療効果に応じ、約半年または一年間と設定されています。
代表取締役社長 CEOの奥田 修は「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫は、再発を繰り返す治癒が困難な疾患であり、新たな治療選択肢が求められています。ルンスミオは、単剤治療により持続的な寛解が期待できるとともに、患者さん一人ひとりの治療効果に応じた投与期間が定められていることから、治療に伴う患者さんの負担軽減につながります。本剤をいち早く治療にお役立ていただけるよう、発売に向け準備を進めてまいります」と語っています。
今回の承認は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さんを対象に実施した国内第I相臨床試験の拡大コホート(FLMOON-1試験)および、同じ患者集団を対象としたロシュ社による海外第I/II相臨床試験の成績に基づいています。両試験において、本剤の単剤投与による有効性および安全性が評価されました。
FLMOON-1試験は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことがある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の19名の日本人患者さんに対して行われました。主要評価項目である独立評価機関評価による完全奏効割合は68.4%(90%信頼区間:47.0~85.3%)でした。主な副作用はリンパ球数減少、サイトカイン放出症候群、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、好中球数減少およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、注入に伴う反応でした。
海外第I/II相臨床試験は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことがある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の90名の患者さんに対して行われました。主要評価項目である独立評価機関評価による完全奏効割合は57.8%(95%信頼区間:46.9~68.1%)でした。主な副作用はサイトカイン放出症候群、発熱、疲労、そう痒症、好中球減少及び低リン血症でした。
電子化された添付文書情報
販売名:「ルンスミオ®点滴静注1mg」「ルンスミオ®点滴静注30mg」
一般名:モスネツズマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果:再発又は難治性の濾胞性リンパ腫
効能又は効果に関連する注意:
- 本剤による治療は、抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。
- 十分な経験を有する病理医により、Grade 1~3Aと診断された患者に投与すること。
用法及び用量:
通常、成人にはモスネツズマブ(遺伝子組換え)として、21日間を1サイクルとし、1サイクル目は1日目に1mg、8日目に2mg、15日目に60mg、2サイクル目は1日目に60mg、3サイクル目以降は1日目に30mgを8サイクルまで点滴静注する。8サイクル終了時に、完全奏効が得られた患者は投与を終了し、また、病勢安定又は部分奏効が得られた患者は、計17サイクルまで投与を継続する。
【参考情報】
モスネツズマブ、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対し国内で製造販売承認申請(2024年3月14日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20240314150001_1377.html
ルンスミオについて
ルンスミオは、B細胞上のCD20とT細胞上のCD3を標的とするように設計されたCD20/CD3に対するT細胞誘導バイスペシフィック抗体です。ルンスミオは、細胞傷害性T細胞を介した免疫を活性化し、CD20を有する腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果をもたらすことが期待されます。ルンスミオは世界61カ国で承認されています。再発又は難治性の濾胞性リンパ腫および再発又は難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫を対象に、静注製剤および皮下注製剤を開発中です。
濾胞性リンパ腫について
濾胞性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球のうち、Bリンパ球ががん化してできるリンパ腫の一つです。診断時70~85%の患者さんが進行期に至ります1。一般的に進行が緩やかであり、初期は化学療法感受性が良好ですが、多くの場合で再発を繰り返します。再発を繰り返すことで、これまでの治療が効きづらくなることがあるため、有効性の高い新たな治療が求められています。日本の年間罹患者数は約9,000人と推定されています2。
上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。
出典:
- 一般社団法人日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版. 金原出版株式会社
- 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録). 全国がん罹患データ(2016年~2020年). Available from: https://ganjoho.jp/public/cancer/follicular_lymphoma/index.html アクセス日:2024年12月
以上
本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部
- 報道関係者の皆様
- メディアリレーションズグループ
- Tel:03-3273-0881
- mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
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- Tel:03-3273-0554
- mailto: ir@chugai-pharm.co.jp