2022年9月28日
関節リウマチ治療薬「ナノゾラ(R)皮下注30mgオートインジェクター」の
国内製造販売承認申請のお知らせ
大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区、社長:上原 茂](以下、当社)は、本日、抗TNFαナノボディ(R)製剤「ナノゾラ(R)皮下注30mgオートインジェクター(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))」(以下、本剤)について、厚生労働省に剤形追加の製造販売承認を申請しましたのでお知らせいたします。
本剤は、2022年9月26日に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能又は効果として承認された「ナノゾラ(R)皮下注30mgシリンジ」のオートインジェクター製剤です。本剤には、「ナノゾラ(R)皮下注30mgシリンジ」と同じ薬剤が充填されております。本剤は、本体を皮膚に押し当てるだけで、薬剤が注入され、注射の開始と終了を音でお知らせする機能及び薬剤の注入状況が目視できる薬液確認窓を備えております。さらに、注射後は針カバーがロックされることで針刺し事故を防止します。
当社は、本剤を新たな治療選択肢として提供することにより、今後も関節リウマチの患者さんやそのご家族、医療関係者の方々への貢献を目指した取り組みを続けてまいります。
ナノゾラ(R)について
ナノゾラは、Ablynx社[本社:Ghent(ベルギー)](現Sanofi子会社)によって開発された、二つの抗TNFαナノボディ(R)と抗血清アルブミンナノボディ(R)が融合した三量体構造のヒト化低分子抗体で、一般的なIgG抗体と比較して約1/4の分子量を有しています。ナノゾラは、2つの結合部位でTNFαに結合することで、その作用を強力に阻害します。また、血中滞留性の良い血清アルブミンと結合することで血中半減期を延長させ、4週に1回の治療を可能にしています。これらの特長から、ナノゾラには高い炎症組織への移行性と早期からの臨床効果が期待されています。ナノゾラは、国内初のナノボディ製剤として承認されました。
ナノボディ(R)について
ナノボディは、ラマや他のラクダ科の動物によって自然に生成される特殊なタイプの抗体に由来する分子です。ナノボディは、従来の抗体の10分の1のサイズで、従来の抗体ではアクセスできない体内の疾患標的部位にアクセスできる可能性があります。その小さくてシンプルな構造ゆえに、個別のナノボディを連結させることにより同時に複数の標的に作用できる「多価」ナノボディを創出することができます。ナノボディは、様々な疾患において複合的な治療方法を複数の作用を有する単一薬に置き換えられる可能性を提供します。また、大規模生産により迅速に製造することも可能です。
『ナノボディ』はAblynx社の登録商標です。