JR東海グループにおけるアール・ブリュット作品の採用について

2024/09/05  東海旅客鉄道 株式会社 

2024年9月5日
東海旅客鉄道株式会社
株式会社ジェイアール東海ホテルズ
ジェイアール東海バス株式会社
株式会社ジェイアール東海ウェル

JR東海グループにおけるアール・ブリュット作品の採用について

「アール・ブリュット」とは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、専門的な教育を受けていない人による芸術や表現の総称として用いられています。既存の美術や文化、流行の影響を受けないという特徴があり、その一つには、障がいを持つアーティストによる芸術作品も含まれ、国内においても、様々なアーティストが活躍しています。

JR東海グループは、多様性のある社会の実現を応援すべく、グループ会社の様々な場面で、障がいを持つアーティストのアール・ブリュット作品を採用していきます。なお、グループ内における作品の採用に関しては、JR東海の特例子会社※であり、共働共生を理念に掲げる㈱ジェイアール東海ウェルがコーディネーターの役割を務めます。

※特例子会社:「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき認定された子会社

1.㈱ジェイアール東海ホテルズにおける取組み

・同社が展開する全6ホテルで、それぞれの地域で活躍するアーティストのアール・ブリュット作品をスカーフやポケットチーフといった制服のアイテムに取り入れ、9月20日~29日のSDGs週間等に着用します。

アール・ブリュット作品を採用した
スカーフ・ポケットチーフ

2. ジェイアール東海バス㈱における取組み

・東海地区で活躍するアーティストの作品で高速バスの車体をラッピングし、2024年9月27日から2025年4月8日の間、各地を走行します。

・JR東海バスのグッズのデザインにもアール・ブリュット作品を取り入れ、JR東海MARKETにおける同社のオンラインショップ「JR東海バス部」やイベント等で販売します。

高速バスラッピング(イメージ)

別紙

採用したデザインと担当アーティストの紹介

名古屋マリオットアソシアホテル
ジェイアール東海バス
水上 真歩 maho mizukami

名古屋の企業でアート雇用として活躍。一見、デジタル作品と見まがう、繊細な線と精密な色面で構成された作品ですが、全て手描きです。言葉で伝えることが苦手で上手く伝えられなかったのですが、19歳の頃に絵で表現してみたところ、伝わることの喜びを知り、アートの世界に夢中になりました。日々、8時間ほど制作しています。

名古屋JRゲートタワーホテル
伊山 英吾 eigo iyama

2004年武蔵野市生まれ。名古屋市在住。現在は生活介護事業所「うえだやまてしごとのいえ」に通所し、さおり織り等のものづくりを中心に仕事をしている。手先が器用で小さな頃から工作や絵を描くことに集中し、独り言を言いながら常に何かを創作していた。読み書きを習得してからは絵の中に文字が入ることが多くなり、文字だけの作品にしてみたり、余裕があれば色を使ってみたりと、支援者と試行錯誤しながら世界観を構築しようとしている。性格は天真爛漫、アート活動以外は食べたり飲んだりが好き。人懐こく、相手の顔と名前をすぐに覚える。過去の出来事の日付けを正確に暗記し、周りをビックリさせる事もよくある。

ホテルアソシア高山リゾート
月音 rune

岐阜県加茂郡川辺町在住の月音さんは、島根大学、伊藤史人教授が開発した視線入力アプリEyeMoTを活用して制作します。パソコンモニターの下部に取りつけたTobiiアイトラッカーというバーが月音さんの瞳の動きを感知します。毎日の暮らしの中で見た空や木々や花の色だけでなく、印象に残った人の会話や仲間の大きな声や足音、雷や稲妻の光や音、花の香りなど、からだで感じたすべてのことを線や色に乗せていきます。

採用されたアーティストの紹介

ホテルアソシア豊橋
杉山 勇輔 yusuke sugiyama

愛知県豊橋市在住。1994年生まれ。ASD

医療法人さわらび会福祉村病院勤務。余暇を利用し絵画制作に取り組む。チャレンジ精神旺盛で、どんな作品も下書きから配色まで迷いなく描きあげます。ペンネームの「YUCHIKO」は幼い頃の呼び名から取りました。

http://yuchiko0215.web.fc2.com/

ホテルアソシア静岡
大石 理央 rio ohishi

大石理央(1994年生まれ)は、静岡県を拠点に活動する障害のある若者たちのアート集団waC*(wonderful art COMMUNITY , since 2012)創設メンバーの一人として、素敵なアートと地域や企業、SHOPなどとをつなぐ創作活動を展開。自分のスタイルで描きたいものを描きたいように表現することはアーティストの最終目標でもある。彼女のように描きたい、そう思う人は多いはずだ。表現者としての実力が高く、人柄も併せ、たくさんのファンがいる。彼女にとって絵を描くことは生きることそのもの。ふだんの日は作業所で仕事をがんばる知識満載の歴女でもある。なおwaC*の戸外制作で描いたこの作品“蓮華寺池の休日!”は、蓮華寺池公園(藤枝市)のシンボルとして池畔のカフェに飾られている。

ホテルアソシア新横浜
荒井麻理子 mariko arai

横浜市にある社会福祉法人かれんで約20年間活動を続けています。現在は生活介護事業所「メープルかれん」に所属し、ご自身のペースで手織りや絵画の制作をされています。主にアクリル絵の具を用いて筆で線を描いていき、線の集積によって絵ができていくスタイルです。メープルかれんでは窓側の席で外を見ながら制作を楽しまれています。

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