切除不能進行・再発大腸がんに対するLONSURF(R)(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)とベバシズマブ併用療法 米国FDA より承認を取得

2023/08/03  大鵬薬品工業 株式会社 

2023 年 8 月 3 日
大鵬薬品工業株式会社

切除不能進行・再発大腸がんに対する
LONSURF(R)(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)とベバシズマブ併用療法
米国 FDA より承認を取得


大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とその米国子会社の Taiho Oncology, Inc.(所在地:ニュージャージー州プリンストン、President & CEO:Timothy Whitten、以下「大鵬オンコロジー」) は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法、抗 VEGF 療法、RAS 野生型の場合は抗 EGFR 療法の治療歴がある切除不能進行・再発大腸がんの成人患者を対象としたトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(米国製品名「LONSURF(R)」、以下「ロンサーフ」)とベバシズマブの併用療法を、米国食品医薬品局(以下「FDA」)が承認したことをお知らせします。

「FDA によるこの併用療法の承認は、切除不能進行・再発大腸がん患者さんに新しく重要な治療選択肢を提供するものです。ロンサーフ単剤と比較し延命効果が示されており、同患者集団における治療を変えると考えています。」と米国カルフォルニア、ドゥアーテの City of Hope、Medical Oncology and Therapeutics Research 教授であり、この併用療法を評価したピボタル第Ⅲ相 SUNLIGHT 試験の米国での主要な治験責任医師である Marwan Fakih 医学博士は述べています。

第Ⅲ相 SUNLIGHT 試験は、2 つの前治療を行った切除不能な進行・再発の大腸がん患者を対象とした国際共同比較第Ⅲ相試験で、ロンサーフとベバシズマブの併用療法がロンサーフ単剤療法と比較して主要評価項目である全生存期間(OS)および副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意な延長を示しました。1

「進行大腸がんの治療は、大鵬オンコロジーの創業以来、私たちが取り組みの中心としてきたものであり、それには十分な理由があります。米国における大腸がん患者さんの約 22%は、がんが転移した状態で診断されています。2 ロンサーフとベバシズマブ併用療法の FDA 承認は、当社がこの疾患の治療を進歩させ、患者さんとそのご家族に新たな希望を提供し続けていることを示す一つの事例です。」と、大鵬オンコロジーのPresident & CEO、Timothy Whitten は述べています。

SUNLIGHT 試験のデータは、2023 年 5 月に New England Journal of Medicine 誌に掲載されました。1 また、 2023 年に更新された結腸・直腸がんに対する NationalComprehensive Cancer Network(R) (NCCN(R))※ Drugs and Biologics Compendium (NCCNCompendium(R))では、トリフルリジン/チピラシルあるいはレゴラフェニブ単剤に加え、トリフルリジン/チピラシルとベバシズマブの併用レジメン(単剤よりも推奨)がカテゴリー2A として、後方治療の治療選択肢に追加されました。2、3

※ National Comprehensive Cancer Network(R) (NCCN(R))は患者ケア、研究、そして教育に専念する、33 の米国の主要ながんセンターによる非営利団体です。

https://www.nccn.org/home/member-institutions

「大鵬薬品が最初にロンサーフを創製してから今回の承認取得に至るまで、当社の臨床開発プログラムへの参加を通じて、この重要な治療法に関する知識の蓄積に貢献してくださった患者さんそして医療関係者の方々に感謝を申し上げます。私たちは今後、ロンサーフとベバシズマブ併用療法の対象となり得る切除不能進行・再発大腸がん患者さんの治療を行う医療関係者の支援に努めてまいります。」と大鵬薬品のオンコロジー領域グローバルチーフメディカルオフィサーであるファビオ・ベネデッティは述べています。

【SUNLIGHT 試験 1について】

SUNLIGHT 試験は、2 つの前治療を行った切除不能な進行・再発の大腸がん患者を対象としたロンサーフ単剤療法とロンサーフとベバシズマブの併用療法の国際共同比較第Ⅲ相試験です。492 人がロンサーフ単剤群あるいはロンサーフとベバシズマブの併用療法群に1対1に無作為に割り付けられ、主要評価項目である OS においてロンサーフ単剤療法に対するロンサーフとベバシズマブの併用療法の優越性の検証を目的に試験を実施しました。重要な副次評価項目は PFS、全奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、生活の質(QOL)に与える影響、ならびに安全性、忍容性についても評価しています。

試験の詳細についてはこちらをご覧下さい。

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04737187SUNLIGHT 試験:An open-label, randomised, phase III study comparingtrifluridine/tipiracil in combination with bevacizumab to trifluridine/tipiracilmonotherapy in patients with refractory metastatic colorectal cancer (SUNLIGHTstudy)

【大腸がんについて】

大腸がんは、米国で 3 番目に多く診断されるがんです。4 2023 年には米国で新たに153,020 人が罹患し、52,550 人が亡くなると推定されています。5 米国の大腸がん患者さんの約 22%は、転移した段階で診断されています。2 転移性大腸がんは予後不良であり、5 年生存率は約 14%です。2

【ロンサーフについて】

ロンサーフは、大鵬薬品が創製・開発した経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。チミジンベースのヌクレオシド類似体であるトリフルリジンと、チミジンホスホリラーゼ(TP)阻害剤であるチピラシル塩酸塩で構成されています。チピラシル塩酸塩はトリフルリジンの分解に関与する TP を阻害し、トリフルリジンの血中濃度を維持します。トリフルリジンは DNA に取り込まれ、DNA の機能障害および細胞増殖の阻害をします。

*LONSURF(R)

一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩
日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠 T15・T20」

日本におけるロンサーフの効能又は効果:
・治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌

2023年 7月には、大鵬オンコロジーとともに SUNLIGHT試験を実施したセルヴィエ社が、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法、抗 VEGF 療法および/もしくは抗 EGFR 療法を含む 2 レジメンの治療歴がある切除不能進行・再発大腸がんの成人患者を対象としたロンサーフとベバシズマブの併用療法について、欧州委員会より承認を取得しています。同承認は、EU 加盟国 27 カ国およびアイスランド、北アイルランド、リヒテンシュタインとノルウェーに適用されます。

【大鵬オンコロジーについて】

大鵬オンコロジーのミッションは、がん患者さん、そのご家族そして介護者の生活を改善することです。同社は経口抗がん剤の開発に注力し、開発した薬剤をさまざまながん種を対象に米国において販売しています。現在拡大している大鵬オンコロジーの抗がん剤パイプラインは選択的分子標的薬で構成され、世界クラスの臨床開発組織によって推進しています。大鵬オンコロジーは、大塚ホールディングスの一員である大鵬薬品の子会社です。米国ニュージャージー州プリンストンに本社を置き、大鵬薬品のヨーロッパ(スイス連邦、ツーク州)とカナダ(オンタリオ州オークビル)における事業運営を統括しています。

大鵬オンコロジーの詳細については、https://www.taihooncology.com/us をご参照ください。

【大鵬薬品について】

大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」の 2 領域に注力する研究開発型スペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外においても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jp をご参照ください。

1: Prager GW, Taieb J, Fakih M, et al. Trifluridine–tipiracil and bevacizumab in refractory metastaticcolorectal cancer. New England Journal of Medicine. 2023;388(18):1657-1667. Last accessed: July 2023.https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2214963.

2: Wang J, Li S, Liu Y, Zhang C, Li H, Lai B. Metastatic patterns and survival outcomes in patients withstage IV colon cancer: A population-based analysis. Cancer Med. 2020;9(1):361-373. Last accessed: July2023. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6943094/#cam42673-bib-0003 .

3: National Comprehensive Cancer Network. National Comprehensive Cancer Network(R) Drugs and BiologicsCompendium (NCCN Compendium(R)) for Colon Cancer (Version 2.2023-April 25, 2023) and Rectal Cancer (Version3.2023-May 26, 2023). Last accessed July 2023. Available at: http://www.nccn.org/ .

4: Siegel RL, Miller KD, Wagle NS, Jemal A. Cancer statistics, 2023. American Cancer Society CA: A CancerJournal for Clinicians. 2023;73(1):17-48. Last accessed: July 2023. https://doi.org/10.3322/caac.21763 .

5: National Cancer Institute Surveillance Epidemiology and End Results Program. Cancer Stat Facts:Colorectal Cancer. SEER. Last accessed July 13, 2023.https://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.html .

このリリースに関するお問い合わせ先
経営企画部 ストラテジックコミュニケーション室(広報)
TEL : 03-3293-2878 (直通)
e-mail : th-koho@taiho.co.jp

会 社 概 要
大鵬薬品工業株式会社
設立年月日 1963 年 6 月 1 日
本社所在地 〒101-8444 東京都千代田区神田錦町 1-27
代表取締役社長 小林 将之
売上高 1,393 億円(2022 年 12 月期)
従業員数 2,170 名(2022 年 12 月 31 日現在)
事業内容 医薬品、医薬部外品、医療機器、食料品、日用品雑貨などの製造、販売及び輸出入
URL https://www.taiho.co.jp/

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