小泉八雲の伝記小説『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』の出版記者会見が駐日アイルランド大使公邸にて開催

2024/09/27  株式会社 佼成出版社 

株式会社佼成出版社(本社:東京都杉並区、代表取締役:中沢純一)は、9月24日、駐日アイルランド大使公邸(東京)にて「ジーン・パスリー氏来日、『黒い蜻蛉』出版記者会見」を開催した。


左から、デミアン・コール氏(駐日アイルランド大使)、ジーン・パスリー氏(著者)、小宮由氏(訳者)、小泉凡氏(小泉八雲記念館館長)

本書は、アイルランド出身の脚本家ジーン・パスリー氏が2021年に著した長編小説、『Black Dragonfly』の邦訳版であり、2024年8月、ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲)の没後120年を期して刊行された。
会見の冒頭、デミアン・コール駐日アイルランド大使は、文学作品でもって両国の文化交流の機会をつくったパスリー氏および関係者に祝福の言葉を送った。
続いて、記者会見に合わせて来日したパスリー氏が登壇し、自らの日本滞在時の経験や思いをハーンのそれに重ね合わせながら、疎外感を抱きながらも日本に魅了されていった心境を語った。


スピーチを行うジーン・パスリー氏

次に登壇した翻訳者の小宮由氏は、翻訳作業を振り返りながら、八雲から受け取ったメッセージとして、古来日本の庶民が大切にしてきた精神性・振る舞い・生活様式などを再評価することを述べた。これまで児童書の翻訳を手がけることが多かった同氏にとって、本書が初の翻訳小説である。
最後に、小泉八雲記念館(島根県松江市)館長で、小泉八雲のひ孫でもある小泉凡氏が登壇し、寄稿した同書の帯文を繙きつつ、著者パスリー氏の八雲への深い関心と敬愛について賞讃の言葉を贈った。
質疑応答では、同書の中で克明に表現されている明治期の松江市街の描写などはどのようにして可能となったのかなど、活発に質問と回答がなされた。会見を締めくくるフォトセッションでは、登壇者たちが同書を手に撮影に参加し、和やかな空気が会場を包んだ。




【登壇者(敬称略)】
◇ジーン・パスリー
脚本家。ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部で映画制作を学ぶ。「The Bright Side 」でコーク国際映画祭観客賞受賞、監督・脚本を務めた「Ship of Souls 精霊船」でアイルランド映画テレビ賞にノミネート。『Black Dragonfly』が初の小説作品。

ジーン・パスリー氏



◇小宮由(こみや・ゆう)
翻訳家。出版社勤務や留学を経て、主に子どもの本の翻訳に携わる。2004年、阿佐ヶ谷の自宅にて家庭文庫「このあの文庫」を開設。訳書に『さかさ町』『けんかのたね』『くるみ割り人形』など。

小宮由氏



◇小泉凡(こいずみ・ぼん)
1961年東京生まれ。成城大学文芸学部・同大学院文学研究科で民俗学を専攻後、1987年に島根県松江市へ赴任。妖怪・怪談を切り口に、文化資源を発掘し観光・文化創造に生かす実践研究を行っている。現在、小泉八雲記念館館長。小泉八雲のひ孫。


◇デミアン・コール
駐日アイルランド大使。


【書籍概要】



書名:『黒い蜻蛉──小説 小泉八雲──』
著者:ジーン・パスリー
翻訳:小宮 由
発行:佼成出版社
発売日:2024年8月30日
ページ数:344ページ
定価:2,750円(税込)
内容紹介:『Black Dragonfly』が待望の邦訳刊行。出生にコンプレックスをもっていたラフカディオ・ハーンが最後の地に決めたのは、日本だった。なにが彼を引きつけ、のちに『怪談』をうみだす小泉八雲となったのだろうか? その真髄に迫った空想的伝記小説。


【特設サイト】
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