2025 年5月12日
コスモ・バイオ株式会社
株式会社ChromaJeanのプラットフォーム導入による 効率化達成について
コスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、2024 年8月8日付で「株式会社 ChromaJean のプラットフォーム導入に関するお知らせ」を開示いたしました。このたび、当該プラットフォーム導入の目的としていた精製作業の効率化(DX化)を達成しましたので、お知らせいたします。
記
1. プラットフォームの導入の背景・目的
当社は、ペプチド製造における生産性の向上・業務の効率化のために、株式会社 ChromaJean(以下「クロマジーン社」) のペプチド精製プラットフォームを導入しました。
ペプチド合成受託サービスは、当社の自社製品・サービス事業の成長軸の一つで、ユーザーが希望する配列のペプチドをカスタム製造して納品するサービスです。このペプチド製造プロセスにおいて最も重要な工程である精製プロセスは、多くの時間と労力が必要で、かつ成功率は作業者のスキルや経験に依存する要素が大きい作業でした。これらの課題解決のため、当社はクロマジーン社のペプチド精製プラットフォームを導入し、精製作業の DX 化に取り組んでまいりました。
2. プラットフォーム導入による成果
当社において、クロマジーン社との契約締結後、ペプチド精製プラットフォームの導入を進め、昨年 11 月にプラットフォームを利用開始しました。その後、装置の調整を経て、ペプチド製造における精製工程の作業時間を約6割削減でき、次のような成果を得ることに成功しました(図1参照)。
図1:精製における作業時間削減
◇達成した成果
・精製度は従来と変わらない90~95%以上の高純度な品質(Quality)を維持
・必要な溶媒量が約半分となり費用(Cost)を削減
・作業時間の削減に伴い納期(Delivery time)を短縮
・溶媒量削減や使用電力削減により、環境負荷の低減も実現(GX)
また、プラットフォームを用いた精製作業は、熟練した作業者に限らず行うことができ、属人化の解消にも寄与します。
上記の作業時間削減については、現在当社で製造するペプチド製品のうち7割以上に適用することができています。残りの約3割のペプチド製品は、特殊な合成方法や製造困難な構造(アミノ酸以外の修飾物が付加したペプチド)といった製造難易度の高いペプチドのため、製造に様々な技術や経験が必要となります。プラットフォームを導入したことで、この残りの3割のペプチド製品製造のために熟練した作業者を充てることが可能となり、需要が増え続ける難易度の高いペプチド製造へ対応することが可能となります。
図2:最新鋭の製造機器(プラットフォーム)(左)、特殊品の製造実績(右)
3. プラットフォーム導入について今後の期待
今後は、ペプチド精製プロセスの自動化を視野に、効率化に加え人為的ミスを削減し一貫した品質の実現を検討してまいります。また、ロボットや AI 等の最新技術を組み合わせ、精製プロセスのみならずペプチド製造プロセス全体に対しても、自動化できるシステムの実現を目指してまいります。
当社グループでは現在、DX を推進し全社変革の取り組みを行っています。今回のプラットフォームの導入は、DX を実現するための手段の 1 つです。当社グループは、企業価値向上を目指し、引き続き付加価値向上のためのDXや業務効率化のためのDXを推し進めてまいります。
4.業績見通しに与える影響
当年度において、本件が当社グループ全体の業績に及ぼす影響は軽微でありますが、本事業につきましては、ペプチド合成受託サービス事業を中長期的に当社グループの収益基盤の強化と拡大に繋がるものと位置付けており、今後も引き続き事業の拡大を目指してまいります。
以上