2023 年 4 月 3 日
Green Earth Institute 株式会社
NEDO グリーンイノベーション基金事業に「水素細菌による CO2 と H2 を
原料とする革新的なものづくり技術の開発」が採択決定
~ 脱炭素社会・資源循環社会の実現に向けて、CO2を原料として化学品を作る研究開発実証を実施 ~
Green Earth Institute 株式会社(以下「GEI」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術による CO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」において、「水素細菌による CO2 と H2 を原料とする革新的なものづくり技術の開発」のテーマを提案し、実施予定先として採択されました※1。本事業は、双日株式会社を幹事会社とし、一般財団法人電力中央研究所、DIC 株式会社、株式会社ダイセル、東レ株式会社、GEI の6者で提案したものです。
今回の開発では、CO2固定能力が大きい水素細菌※2の中でも、特に増殖能力が高い菌種を使い、CO2とH2を原料として様々な化学品を作ることで、カーボンニュートラル実現に貢献するとともに、CO2 の資源化による産業構造を変革していこうとする研究開発事業です。この事業の中でGEI は、バイオプラスチックの原料となり得る化学品を生産する水素細菌の開発と事業化に向けたスケールアップ実証に取り組みます。生産された化学品は、バイオプラスチックの原料以外にも、インキや塗料などの用途で使われることを想定しています。
日本の部門別のCO2排出量(電気・熱配分後)のうち、製造業・工業プロセスが占める割合は36.7%※3です。このうち化学製品、繊維製品、食品飲料の製造業からは21.9%の年間8901.7 万トン※3のCO2が排出されているため、これら業種でCO2を原料に植物や微生物等の生物の能力を用いて物質生産ができるバイオものづくり技術を普及させることで、大規模なCO2排出量の削減が期待できます。
糖や油脂を原料とするバイオものづくり技術が先行して研究開発・実証されていますが、国内の発電所や工場等から排出されるCO2を効率良く原料として利用できるようになれば、国内での炭素固定やバイオマス資源運搬時の CO2排出量削減にも寄与できる可能性があります。GEI は本事業を通じて CO2固定化の手段としての水素細菌の実用性およびバイオ化学品の大量生産への道筋を実証することを目指します。
GEI は、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む」を経営理念(ミッション)として、地球の様々な問題の解決に取り組んでおり、本事業を通じて、バイオリファイナリー分野の新しい基盤技術の開発を進め、脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
本件によるGEI の業績に与える影響は軽微です。
※1 2023 年3月22 日NEDO ニュースリリース
「グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術による CO2 を直接原料としたカーボンリサイクル推進」に係る実施体制の決定について|公募
グリーンイノベーション基金事業、「バイオものづくり技術による CO2 を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」に着手|決定
※2 水素細菌:独立栄養細菌の一種。独立栄養細菌は、藻類(ラン藻)と比較して50~70 倍高い炭素固定能力を持つことから、 CO2の吸収源として有望。独立栄養細菌の中でも水素細菌は、光エネルギーに依存せず、水素の化学 エネルギーでCO2を固定できるため、高速・高密度の培養が可能であり、産業化へのポテンシャルも高い。化石資源由来の物質生産と比べて、生産過程におけるCO2排出削減だけでなく、CO2を吸収するダブルの効果により、排出量が大幅に削減される可能性が示唆されている。(経済産業省資料「バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」プロジェクトの研究開発・社会実装の方向性」から抜粋)
※3 NEDO の本プロジェクト背景の説明から引用:「グリーンイノベーション基金事業、「バイオものづくり技術によるCO2 を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」に着手」
以上