２０２３年１２月４日
帝 人 ファーマ 株式会 社
医療・介護多職種連携システム「バイタルリンク」について
腹膜透析領域への拡販に関する協業契約を締結
帝人ファーマ株式会社（本社：東京都千代田区、社長：種田 正樹、以下「帝人ファーマ」）は、株式会社ジェイ・エム・エス（本社：広島市中区、社長：桂 龍司、以下「ＪＭＳ」）と、12 月 1 日、帝人ファーマが展開する多職種連携システム「バイタルリンク」について、腹膜透析治療の患者さんに携わる医療従事者向けに販路を拡大する販売代理店契約を締結しました。
１．背景・経緯
（１）慢性腎臓病が進行し、末期腎不全に至った患者さんは腎代替療法の一つである、血液透析や腹膜透析などの透析治療を行います。透析治療を行う患者数は 2021 年12 月末時点で約 35 万人とされており、緩やかな増加傾向にあります。
（２）一般に透析患者さんは週に 3 回、医療機関へ通院し、1 回あたり 4～5 時間程度、血液透析を行っています。近年、政府による地域包括ケアシステムの推進や、透析を受ける年齢の高齢化により、自宅で患者さんのライフスタイルに合わせた透析治療を行うことができる、腹膜透析への関心が高まりつつあります。
（３）帝人ファーマはこれまで、多職種連携システム「バイタルリンク」の販売や帝人訪問看護ステーション株式会社の設立など、医薬品および在宅医療機器の事業基盤を活かしながら、地域包括ケア関連の事業を拡大しています。
（４）ＪＭＳは、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液細胞領域の 4 領域で事業展開する医療機器メーカーです。血液透析装置や腹膜透析で使用する透析液などの製造販売を実施しており、腹膜透析領域における、より強固な事業基盤の構築に取り組んでいます。
（５）今回、多職種連携システム「バイタルリンク」のさらなる利用者拡大を目指す帝人ファーマと、腹膜透析領域の事業基盤強化を図るＪＭＳが、腹膜透析の患者さんのさらなるＱＯＬ向上を目指すという構想が一致したことから、「バイタルリンク」に関する販売代理店契約を締結することとなりました。
２．今般の契約について
（１）「バイタルリンク」は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を用い、医師、看護師、薬剤師、介護従事者など、患者さんに関わる医療従事者間で患者さんの血圧や体温などのバイタル情報を共有することができる多職種連携システムです。患者さんの情報を関係者間でリアルタイムに抜け漏れなく共有することにより、患者さんの状態に合わせた適切な治療を迅速に行うことが可能です。2015 年の販売開始以降、現在までに全国で 3 万施設に導入されています。
（２）一般に、患者さんが自宅で安心して腹膜透析治療を行うためには、透析液の交換や、患者さんの療養状況の確認、装置の維持・管理など、様々な視点からのケアが重要であり、多職種が連携して患者さんを支える仕組みが大切です。一方で、病院・診療所・訪問看護師などの連携を支える体制が十分ではないことが、腹膜透析治療の普及における課題の 1 つとなっており、「バイタルリンク」が貢献できる余地が多く残されていると思われます。
（３）そのような中、今般の代理店契約においては、ＪＭＳが腹膜透析領域での販売網を活用して「バイタルリンク」に関する情報提供を実施して同領域での医療者や患者ニーズを深耕し、導入意向のある医療者を帝人ファーマに紹介します。医療者との契約は帝人ファーマが行います。
３．今後の展開
（１）今回の契約締結により、両社は腹膜透析領域での導入数拡大を図り、多職種間のシームレスな情報共有を支援することで、より良い腹膜透析治療に貢献します。
（２）帝人ファーマは「より支えを必要とする患者さん、ご家族、地域社会の課題を解決する会社」として社会に貢献することを目指し、今後も、患者さんのＱＯＬ向上に資する医薬品や医療機器の開発、そして患者さんのお困りごとに寄り添うサービスを提供していきます。
「バイタルリンク」による患者支援のモデル
以 上
【 当件に関するお問合せ先 】
帝人株式会社 広報・IR 部 TEL:(03)3506-4055
