東海道新幹線 大規模改修工事における新工法の開発について

2024/08/23  東海旅客鉄道 株式会社 

2024年8月23日
東海旅客鉄道株式会社

東海道新幹線 大規模改修工事における新工法の開発について

開業から60年を迎える東海道新幹線の土木構造物を将来にわたって健全に維持し続けるため、当社は2013年度より予防保全の観点から、土木構造物の大規模改修工事を進めております。

大規模改修工事の対象構造物のうちコンクリート橋に対しては、これまでコンクリートの経年劣化によるひび割れなどを抑えるために、はね出しスラブと呼ばれる部材を高耐食性めっき鋼板(以下、鋼板)で覆う工法により施工を進めてきました。

今後もコンクリート橋に対する大規模改修工事を着実に進めるべく、技術開発を通じて重い鋼板を使用する従来工法の改善を目指し、当社の小牧研究施設における各種検証試験を踏まえ、このたび、軽くて高強度な炭素繊維材料を活用した新工法を開発しましたので、お知らせします。

1.概要

・はね出しスラブの表面を炭素繊維シートで覆い、表面保護材を塗布します。(別紙1)

・従来工法と同等以上にコンクリ-トの経年劣化によるひび割れなどを抑制できます。

2.導入効果

開発段階での検証試験を踏まえると、以下の効果が期待できます。

・安全性及び作業効率の向上

炭素繊維シートの重さは鋼板(最大60kg/枚)と比べて1/60以下であり、取扱いが容易です。そのため、作業員の負担が大幅に軽減し、被覆作業の安全性が大きく向上するほか、1人でも施工が可能なため、3人以上で作業を行っていた従来工法(右写真)と比較して作業効率も向上します。

・コストの低減

新工法は、被覆作業の省人化ができるほか、構成部材が少なく、材料費も鋼板より安価のため、従来工法と比較して3割程度のコスト低減を見込んでいます。

・工期の短縮

従来工法での作業の様子

新工法では、高架下に建物がある場合でも大規模な撤去・復旧が不要なため、工期を短縮できます。(別紙2)

3.導入時期

2024年9月から順次、新工法での施工を進めていきます。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043760.pdf

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