広範な血清型で肺炎球菌感染症を予防「プレベナー20(R)水性懸濁注」適応追加承認取得~高齢者、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い方の肺炎球菌感染症も予防~

2024/08/28  ファイザー 株式会社 

広範な血清型で肺炎球菌感染症を予防
「プレベナー20(R)水性懸濁注」適応追加承認取得
~高齢者、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高い方の肺炎球菌感染症も予防~

報道関係各位

2024年8月28日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、「プレベナー20(R)水性懸濁注」〔一般名:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)。以下、本剤〕について、「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防」に対する国内の医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。今回の承認取得は、60歳以上の成人を対象とした国際共同第3相試験および海外第3相試験の結果等に基づくものです。

本剤は、現在の沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13(R)」に7血清型を加えたことにより、さらに広範な血清型による肺炎球菌感染症を予防することが期待されます。「小児における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防」の適応については本年3月26日に承認を得ています1

ファイザー株式会社 取締役 医薬開発担当の石橋太郎は次のように述べています。「小児における適応に続き、高齢者と肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる人に対する肺炎球菌による感染症の予防にプレベナー20が承認されたことを大変嬉しく思います。広範な血清型をカバーする本剤が、肺炎球菌による重篤な疾患から高齢者とリスクが高い人を守ることに貢献することは、公衆衛生上大きな意義があります。臨床試験にご参加いただいた方々、治験実施医療機関の皆様に改めて感謝申し上げます」

なお、本剤の発売予定日は8月30日で、プレベナー13(R)は今後市場から引き上げ、9月30日をもって販売を終了いたします。

<参考情報>
肺炎球菌感染症について
肺炎球菌感染症は肺炎球菌により引き起こされる疾患群であり、菌血症、敗血症、髄膜炎などの侵襲性感染症のほか、肺炎、中耳炎などの非侵襲性疾患(局所感染症)が含まれます。日本のDPC対象の28病院に入院した1,358人を対象に、肺炎球菌感染症による医療費を検討した研究では、65歳以上の374人における平均医療費は肺炎球菌感染症全体で11,321ドル、侵襲性肺炎球菌感染症で13,852ドル、非侵襲性肺炎球菌感染症で11,108ドルと推定されており2、大きな負担となっていることが伺えます。また、日本でも、プレベナー13(R)には含まれない血清型による肺炎球菌感染症罹患率の絶対的増加が認められています3

国際共同第3相試験について
本試験は、日本、韓国および台湾において60歳以上の成人を対象とした本剤の免疫原性および安全性を検討した第3相、無作為化、二重盲検、第三者非盲検比較試験です。本試験の結果は2024年2月にVaccineに公表しました4

海外第3相試験について
本試験は、米国およびスウェーデンで実施した18歳以上の成人を対象に本剤の免疫原性および安全性を検討した第3相、無作為化、二重盲検比較試験です5

プレベナー20(R)水性懸濁注について
本剤には、プレベナー13🄬に含まれている1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fの13種に加え、新たに8、10A、11A、12F、15B、22F、33Fの7種の血清型が追加されています。
米国では、18歳以上の成人への接種について、米国食品医薬品局(FDA)から2021年6月に承認を取得し、65歳以上の成人および19歳から64歳のリスク保持者における米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)の推奨を同年10月に受けています。また、乳幼児の侵襲性肺炎球菌感染症の予防については、FDAから2020年8月にブレークスルーセラピーの指定を受け、2023年4月に承認を取得し、ACIPの推奨を同年6月に受けました。
欧州では、18歳以上の成人への接種について、欧州医薬品庁(EMA)から2022年2月に承認を取得しています。生後6週以上18歳未満における肺炎球菌感染症の予防について、欧州委員会(EC)から2024年3月に承認を取得しました。
本邦では、本日の適応追加承認取得に先駆けて、「小児における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防」に対する製造販売承認を2024年3月26日に取得しました。
なお、高齢者を対象とした日本の医療経済学の研究において、本剤の導入による総医療費削減の可能性が示唆されています6,7

製品概要

製品名

プレベナー20(R)水性懸濁注

一般名

日本名:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)
英名:20-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine adsorbed (Mutated diphtheria CRM197 conjugate)

効能又は効果

〇高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者
肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防

〇小児
肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防

用法及び用量

〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳以上の者:肺炎球菌による感染症の予防〉
1回0.5mLを筋肉内に注射する。
〈肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳未満の者:肺炎球菌による感染症の予防〉
1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。

〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
・初回免疫:通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
・追加免疫:通常、3回目接種から60日間以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下又は筋肉内に注射する。

製造販売承認取得日

2024年3月26日

効能又は効果、
用法及び用量追加の承認年月日

2024年8月28日

製造販売元

ファイザー株式会社

(太字:今回の適応追加承認取得による追加事項)

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<出典>

1. https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2024/2024-03-26-01
2. H. Fukuda, et al. Medical expenditures for community-acquired pneumococcal disease in Japan. J. Natl. Inst. Public Health. 2022;71(1):87-91
3. 厚生労働科学研究 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業研究「成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究」(研究代表者 明田幸宏)
4. M. Haranaka, et al. A phase 3 randomized trial of the safety and immunogenicity of 20-valent pneumococcal conjugate vaccine in adults ≥ 60 years of age in Japan, South Korea, and Taiwan. Vaccine. 2024 Feb 15;42(5):1071-1077
5. Essink B et al. Pivotal Phase 3 Randomized Clinical Trial of the Safety, Tolerability, and Immunogenicity of 20-Valent Pneumococcal Conjugate Vaccine in Adults Aged ≥18 Years. Clin Infect Dis. 2022 Aug 31;75(3):390-398
6. Nakamura S et al., Cost-effectiveness analysis of adult pneumococcal conjugate vaccines for pneumococcal disease in Japan. Expert Rev Vaccines. 2024;23:546-560.
7. Hoshi SL et al., Cost-effectiveness analyses of 15- and 20-valent pneumococcal conjugate vaccines for Japanese elderly. Vaccine. 2022;40:7057-7064

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