バビースモ、視力障害の原因となる網膜色素線条に対し、国内で適応拡大申請

2024/09/06  中外製薬 株式会社 

中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2024年09月06日

  • 医薬品
  • 研究開発

バビースモ、視力障害の原因となる網膜色素線条に対し、国内で適応拡大申請

  • 希少で予後不良な新生血管を伴う網膜色素線条を対象とした国内第III相臨床試験の成績に基づく適応拡大申請
  • 承認審査は優先審査対象として実施
  • 承認されれば、網膜色素線条に対し日本で初めての治療薬となる見込み

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、抗VEGF/抗Ang-2 ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「バビースモ®硝子体内注射液120mg/mL」[一般名:ファリシマブ(遺伝子組換え)](以下、バビースモ)について、本日、新生血管を伴う網膜色素線条に対する適応拡大の承認申請を厚生労働省に行いましたので、お知らせいたします。本適応に関し、バビースモは2023年3月に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査の対象となります。

代表取締役社長 CEOの奥田 修は、「網膜色素線条は、国内において承認された治療薬がない希少疾病です。国内第III相臨床試験において良好な視力改善効果を示したバビースモが、網膜色素線条に対する新たな選択肢として患者さんの治療に貢献できるよう、一日も早い承認取得を目指してまいります」と語っています。

今回の承認申請は、新生血管を伴う網膜色素線条を対象とした国内第III相臨床試験であるNIHONBASHI試験の成績に基づいています。

【参考情報】
・NIHONBASHI試験
バビースモ、網膜色素線条を対象とした第III相試験において日本人で初めて良好な視力改善を示す(2024年4月15日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20240415113000_1388.html

網膜色素線条について
網膜色素線条は網膜の一部が断裂し、眼底に特徴的な線状の色調変化(色素線条)がみられる疾患です。無症状であることが多いですが、眼底の中央の黄斑部に脈絡膜新生血管が及ぶと視力低下やゆがみなどの症状が出現します。新生血管を伴う場合は予後不良で、従来の手術やレーザー等の治療では十分な効果を得ることが難しく、新たな治療薬が求められています。国内における患者数は明らかにはなっておらず、網膜色素線条を約半数で合併すると知られている弾性線維性仮性黄色腫(指定難病の一つ)の患者数は約300名です1,2

NIHONBASHI試験について
NIHONBASHI試験は、新生血管を伴う網膜色素線条患者さんを対象に、バビースモの有効性と安全性を評価した多施設共同単群国内第III相臨床試験です。本試験に24人が登録されました。主要評価項目は、12週時点のベースラインからの最高矯正視力(BCVA、メガネ等で矯正した場合を含め、視力表の文字を読む際に達成可能な最高の状態における視力)スコアの平均変化量です。副次評価項目は、52週時点のBCVAスコアの平均変化量、中心領域網膜厚のベースラインからの変化量の経時変化、および安全性が含まれます。

バビースモについて
バビースモは眼科領域において承認された初のバイスペシフィック抗体です3,4。アンジオポエチン-2(Ang-2)と血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)を中和することにより、視力を脅かす多くの網膜疾患の原因である2つの経路を標的とし、阻害します。Ang-2とVEGF-Aは、血管構造の不安定化により、漏出を引き起こす血管を新たに形成し、炎症を起こすことで視力低下を引き起こすとされています。バビースモはAng-2とVEGF-Aが関与する経路を遮断することで、血管を安定させるよう設計されています4,5。バビースモは、新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として、米国、日本、英国、EUを含む世界100カ国近くで承認されており、網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫の治療薬として、米国、欧州、日本を含む複数国で承認されています。その他の規制当局による審査は継続中です3,6

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

【出典】

  1. Chatziralli I, Saitakis G, Dimitriou E, Chatzirallis A, Stoungioti S, Theodossiadis G, et al. ANGIOID STREAKS: A Comprehensive Review From Pathophysiology to Treatment. Retina. 2019;39(1):1-11.
  2. 難病情報センター 弾性線維性仮性黄色腫(指定難病 166)[Internet; cited September 2024]. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/.
  3. United States (US) Food and Drug Administration (FDA). Highlights of prescribing information, Vabysmo. 2022. [Internet; cited September 2024]. Available from: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2022/761235s000lbl.pdf.
  4. Heier JS, et al. Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab up to every 16 weeks for nAMD (TENAYA and LUCERNE): two randomised, double-masked, Phase III, non-inferiority trials. The Lancet. 2022; 399:729-40.
  5. Wykoff C, et al. Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab with extended dosing up to every 16 weeks in patients with DME (YOSEMITE and RHINE): two randomised, double-masked, Phase III trials. The Lancet. 2022; 399:741-755.
  6. Roche data on file.

以上

[PDF 578KB]

本件に関するお問い合わせ先:
中外製薬株式会社 広報IR部

  • 報道関係者の皆様
  • メディアリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0881
  • mailto: pr@chugai-pharm.co.jp
  • 投資家の皆様
  • インベスターリレーションズグループ
  • Tel:03-3273-0554
  • mailto: ir@chugai-pharm.co.jp

関連業界

情報・通信業界のニュース