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住友化学によるぺプチスター社の第三者割当増資の引受について
~当社が強みとする長鎖高純度gRNAの供給体制を拡充~
2024年11月11日
住友化学は、このたび、ペプチスター株式会社(以下、ペプチスター)の株式を第三者割当増資により取得し、出資を完了いたしました。今回の資本提携を契機に、当社が強みとする長鎖かつ高純度なガイドRNA(gRNA)※1の安定供給体制をさらに拡充してまいります。
ペプチスターは、ペプチド医薬原薬※2の研究開発、製造および販売を行うことを目的とし、ペプチドリーム株式会社、塩野義製薬株式会社、積水化学工業株式会社の3社によって2017年に設立され、その豊富な知見を生かして21年に核酸医薬原薬※3の受託製造事業に参入しました。
住友化学は、2013年に核酸医薬原薬の受託製造事業を開始し、ゲノム編集治療に必要なgRNAを化学合成により高純度で量産する技術を世界で初めて※4確立しました。なお、医療用途に用いられるgRNAについては、24年に米国FDAが80%以上の純度を推奨したこともあり、ニーズの急拡大が期待されます。
生産面では、2023年8月に大分工場(大分市)で新プラントを稼働させるなど、gRNAの受託製造体制を拡充しています。また、近年ではペプチスターとパートナーシップを組み、当社の持つ量産技術を供与することで、同社の設備を活用した2拠点生産体制を構築しています。
このたびの資本提携は、両社の結びつきをより深める目的で実施するものであり、今後は核酸とペプチドを結合させた核酸‐ペプチド複合体の製造技術の高度化も進めてまいります。
住友化学は、市場拡大が見込まれる核酸医薬原薬、特に長鎖高純度gRNA製造のフロントランナーとしての地位確立を目指してまいります。
※1 ゲノム編集技術の一つ、CRISPR Cas9において、特定のDNA配列を標的にするために設計されたRNA分子。このgRNAがCas9酵素を標的DNA配列に誘導し、標的DNAを切断することで、ゲノム編集が行われる。一般的な核酸医薬よりも長いこと(長鎖)を特徴とする。
※2 ペプチド(通常50個未満のアミノ酸が鎖状につながった化合物)を有効成分として用いる医薬品。
※3 核酸(DNAやRNA)を基本骨格とする医薬品。従来の医薬品では標的にすることが困難なRNAに、高い選択性をもって直接作用させることが可能。
※4 gRNAを約90%の高純度で量産する技術について。2021年10月4日発表時点。当社調べ
ご参考
2021年10月4日付リリース 大分工場に核酸医薬原薬の製造プラントを新設~世界初ゲノム編集治療向け高純度のgRNA量産技術を確立~
住友化学 核酸医薬原薬情報サイト
以上
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