抗TFPIモノクローナル抗体「ヒムペブジ(R)皮下注150mgペン」、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制に関する製造販売承認を取得

2024/12/27  ファイザー 株式会社 

抗TFPIモノクローナル抗体「ヒムペブジ(R)皮下注150mgペン」、
血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない
先天性血友病患者における出血傾向の抑制に関する製造販売承認を取得

報道関係各位

2024年12月27日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、抗TFPIモノクローナル抗体「ヒムペブジ(R)皮下注150mgペン〔一般名:マルスタシマブ(遺伝子組換え)〕。以下、本剤」について、「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」に関する、国内における製造販売承認を取得しました。今回の承認取得は、成人および青年のインヒビターのない血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした国際共同第3相試験(BASIS試験)の結果等に基づくものです。

ファイザー株式会社 取締役 医薬開発担当の石橋太郎は次のように述べています。「本剤はプレフィルドペン型注入器を用いて、週1回皮下へ自己投与する製剤です。また、体重換算の必要がない固定用量であるため、患者さんの利便性が高いことが期待されます。このたびの承認により、血友病Aと血友病Bの患者さんにとって、従来の治療法に代わる治療選択肢が提供できることとなります。臨床試験にご参加いただいた方々、治験実施医療機関の皆様に改めて感謝申し上げるとともに、本剤を一日でも早くお届けできるよう関係各位と連携してまいります」

<参考情報>
ヒムペブジ(R)について
ヒムペブジ(R)はヒトIgG1モノクローナル抗体であり、外因系血液凝固カスケードの主要な阻害因子である組織因子経路インヒビター(TFPI)を阻害することにより、外因系凝固経路を増強します。
本剤は、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビター非保有の血友病Aまたは血友病B患者における出血傾向を抑制するために定期投与する調製が不要な固定用量の皮下投与製剤です。
米国では米国食品医薬品局(FDA)から2024年10月11日、欧州では欧州委員会(EC)から2024年11月18日に承認を取得しました。

血友病について
血友病Aおよび血友病Bはそれぞれ血液凝固第VIII因子または第IX因子の欠乏により血液凝固機能に異常をきたす遺伝性疾患です。血友病は、凝固因子補充療法として凝固因子製剤を出血時に投与する出血時補充療法、出血予防を目的に定期的に投与する定期補充療法、または非凝固因子製剤による治療が行われます。凝固因子補充療法により、血友病Aでは約20%、血友病Bでは約3%の患者さんに凝固因子に対するインヒビターが産生されます1。インヒビターが産生されると、凝固因子補充療法による止血が困難となります。世界血友病連盟(WFH)実施の年次世界調査2023によると、日本における推計患者数は血友病Aが約5,800人、血友病Bが約1,300人と報告されています2

BASIS試験について
BASIS試験は、成人および青年(男性、12歳以上75歳未満、体重35kg以上)の、血液凝固第VIII因子の活性が1%未満または血液凝固第IX因子の活性が2%以下であるインヒビター非保有の血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした一方向クロスオーバー、非盲検、多施設共同、国際共同第3相試験です。前治療として凝固因子出血時補充療法を受けた患者では、6ヵ月間の観察期間に凝固因子出血時補充療法を行った後に、12ヵ月間の投与期間にマルスタシマブを週1回投与し、観察期間と投与期間の年間出血率等のデータを比較しました。前治療として凝固因子定期補充療法を受けた患者では、6ヵ月間の観察期間に凝固因子定期補充療法を行った後に、12ヵ月間の投与期間にマルスタシマブを週1回投与し、観察期間と投与期間の年間出血率等のデータを比較しました。

製品概要

販売名

ヒムペブジ(R)皮下注150mgペン

一般名

和名:マルスタシマブ(遺伝子組換え)
洋名:Marstacimab(Genetical Recombination)

効能又は効果

血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制

用法及び用量

通常、12歳以上かつ体重35kg以上の患者には、マルスタシマブ(遺伝子組換え)として初回に300mgを皮下投与し、以降は1週間隔で1回150mgを皮下投与する。なお、体重50kg以上で効果不十分な場合には、1週間隔で1回300mgに増量して皮下投与できる。

製造販売承認取得日

2024年12月27日

製造販売元

ファイザー株式会社

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(米ファイザー本社)www.pfizer.com

(日本法人)www.pfizer.co.jpInstagramX?

<出典>

1 Centers for Disease Control and Prevention. Inhibitors and hemophilia. Last reviewed: December 2024. Testing for Inhibitors and Hemophilia | Hemophilia | CDC
2 World Federation of Hemophilia. Report on the Annual Global Survey 2023. October 2024.

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