米国食品医薬品局が、これまでに承認された大半のオプジーボ(R)(ニボルマブ)の成人固形がんの適応症に対して、Opdivo Qvantig(TM)皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ-nvhy)を承認

2025/01/06  小野薬品工業 株式会社 

2025.01.06

研究開発

米国食品医薬品局が、これまでに承認された大半のオプジーボ(R)(ニボルマブ)の成人固形がんの適応症に対して、Opdivo Qvantig(TM)皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ-nvhy)を承認

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 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2024年12月27日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。

本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2024年12月27日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

米国食品医薬品局が、これまでに承認された大半の
オプジーボ(R)(ニボルマブ)の成人固形がんの適応症に対して、
Opdivo Qvantig(TM)皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ-nvhy)を承認

  • Opdivo Qvantigは、最初で唯一の皮下投与が可能なPD-1阻害薬です。
  • 3~5分で投与できる Opdivo Qvantigは、第III相CheckMate-67T 試験でオプジーボ点滴静注と一貫した有効性および同等の安全性プロファイルを示しました。

 (ニュージャージー州プリンストン、2024年12月27日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の単剤療法、オプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法後のオプジーボ単剤維持療法およびオプジーボと化学療法またはカボザンチニブとの併用療法で、これまでに承認された大半の成人固形がんの適応症に対して、ニボルマブと組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を配合した Opdivo Qvantig(ニボルマブとヒアルロニダーゼ-nvhy)皮下注製剤を承認したことを発表しました 1,2。FDAの承認は、第III相無作為化非盲検CheckMate-67T 試験の結果に基づいています。本試験でOpdivo Qvantig は、オプジーボ点滴静注に対して、薬物動態学的な曝露に関する2つの主要評価項目において非劣性を、奏効率(ORR)において同等の有効性を示し、安全性プロファイルもオプジーボ点滴静注と一貫していました 1,3
 ロズウェルパーク総合がんセンターの腫瘍内科医で臨床試験ネットワーク責任者であるSaby George博士 (MD、FACP)は、次のように述べています。「今回のニボルマブ皮下注製剤の承認は、ニボルマブ点滴静注と一貫した有効性および同等の安全性を実現できる新たな選択肢を患者さんに提供するものであり、患者さんを第一に据えた治療を実現できる可能性があります。Opdivo Qvantig により投与時間が3~5分(皮下投与)に短縮されます*。患者さんは、医師と相談して新たな治療法を選択し、自宅に近い場所で柔軟に治療を受けることができます。」1,2
 本試験で Opdivo Qvantigは、2つの主要評価項目である初回投与後28日目までの平均血清中濃度 (Cavgd28) および定常状態における最低血清中濃度 (Cminss) において、オプジーボ点滴静注に対する非劣性を示しました 1,3 。Cavgd28 の幾何平均比(GMRs)は 2.10 (90% CI: 2.00-2.20)、CminssのGMRは1.77 (90% CI: 1.63-1.93) でした 1。主要副次評価項目である奏効率(ORR)は、オプジーボ点滴静注群(n=247)が18%(95% CI: 14-24)であったのに対して、Opdivo Qvantig投与群 (n=248) は24% (95% CI: 19-30) であり Opdivo Qvantigの有効性は、オプジーボ点滴静注と同等であることが示されました 1
 皮下投与によって、患者さんと医師にとって最も都合のよい場所で柔軟に治療を行うことが可能になり、治療薬の準備と投与に費やす時間を短縮できる可能性があります 5,6,7,8,9,10。CM–67T 試験において、Opdivo Qvantig の平均投与時間は約5分であり、ほとんどの患者さんが投与中断や投与延期をすることなくすべての治験薬の投与を受けました 3。この承認に伴い、Opdivo Qvantigは最初で唯一の皮下投与が可能なPD-1阻害薬となり、患者さんは、30分かかるオプジーボ点滴静注よりも3~5分の短時間でがん免疫治療薬の投与を受けることができます 1,2
 オプジーボ点滴静注およびOpdivo Qvantigには、次の警告および使用上の注意が付与されています。肺炎、大腸炎、肝炎および肝毒性、内分泌障害、腎不全を伴う腎炎、皮膚副作用を含む重篤および致死的な免疫介在性の副作用、他の免疫介在性の副作用として同種幹細胞移植(HSCT)による合併症、胚・胎児発生毒性、サリドマイド類似薬およびデキサメタゾンと オプジーボ点滴静注またはOpdivo Qvantigを併用(十分に管理された臨床試験以外では非推奨)した時の多発性骨髄腫患者における死亡率の上昇 1。詳細は「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・コマーシャリゼーション・オフィサーであるAdam Lenkowskyは、次のように述べています。「私たちは、医療のあらゆる過程で患者さんを支えようとしています。この10年間、オプジーボは多くのがん腫での適応症で使用されるがん免疫療法の選択肢として進化してきました 9。従来より短時間で薬剤を投与できる新たな選択肢の登場により、がん患者さんをさらに支援できると期待しています」1,2
 がん患者擁護団体の健康推進プログラム担当シニアディレクターであるAudrey Davis (LPC)は次のように述べています。「がんと診断されるのはつらく恐ろしいことです。医療機関以外での色々な場所で柔軟に治療を受けられ、投与時間を短縮できる選択肢を患者さんに用意することが大切です 7,8,9,10。免疫療法治療薬の投与方法が進化し、困難な治療に取り組む患者さんとご家族の選択肢が増えるのは、素晴らしいことです」9

  • 点滴時間を指し、治療に伴うそれ以外の要素は含みません。病院での実際の所要時間には差がある可能性があります。

CheckMate-67T試験について

 CheckMate-67T 試験は、 全身療法による治療歴を有する進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)成人患者を対象に、Opdivo Qvantig をオプジーボ点滴静注と比較評価した第Ⅲ相無作為化非盲検非劣性試験です 1,3。患者495例が、4週間ごとのOpdivo Qvantig (ニボルマブ1,200 mg およびヒアルロニダーゼ20,000 単位)の皮下注投与群 (n = 248)または2週間ごとのオプジーボ3 mg/kg 点滴静注投与群(n = 247)のいずれかに無作為に割り付けられました 1。本試験の2つの主要評価項目は、初回投与後28日目までの平均血清中濃度(Cavgd28)および定常状態における最低血清中濃度(Cminss)です 1,3。主要な副次評価項目は、盲検下独立中央評価委員会の評価による奏効率です 2

CheckMate-67T試験で得られた安全性プロファイル(抜粋)

 Opdivo Qvantigを投与された患者さん (n=247)の28%に重篤な副作用が認められました 1。Opdivo Qvantig投与群の1%以上に報告された比較的よく見られた重篤な副作用は、胸水 (1.6%)、肺炎 (1.6%)、高血糖 (1.2%)、高カリウム血症 (1.2%)、出血 (1.2%)、下痢 (1.2%)でした 1。Opdivo Qvantig投与群(n = 247)で最も多く見られた副作用(10%以上に報告された)は、筋骨格痛 (31%)、疲労 (20%)、かゆみ (16%)、発疹 (15%)、甲状腺機能低下症 (12%)、下痢 (11%)、咳 (11%)、腹痛 (10%)でした 1。Opdivo Qvantig投与群の患者3例 (1.2%)に、心筋炎、筋炎、大腸炎合併症を含む致死的な副作用が認められました 1。患者の10%が副作用により治験薬投与を中断しました 1。Opdivo Qvantig の安全性プロファイルは、オプジーボ点滴静注と同等でした 1

皮下投与について

 皮下投与は静脈注射に代わる投与方法で、皮膚下に薬剤を注入します 10。皮下投与によって、医療従事者と患者にとって最善の場所で柔軟に治療を行える、点滴静注用チェアを用意せずにすむ、治療薬の準備と投与にかかる時間を減らせるなどの利点が想定されます 5,6,7,8,9,10。静脈経路の確保が難しい患者さんや、ポートの造設を望まない患者さんにも簡単に投与できる可能性があります 11。皮下投与によって、治療場所の制限なく薬剤を投与できるかもしれません 9

Opdivo Qvantigの適応症および安全性情報について

 米国でのOpdivo Qvantigの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebook および Instagram をご覧ください。

将来予測に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年米国民事証券訴訟改革正法に定められている「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は、将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、Opdivo Qvantig (ニボルマブとヒアルロニダーゼ-nvhy)が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうか、また販売承認を取得したとしても、その使用が著しく制限される可能性、および本プレスリリースに記載された適応症でのOpdivo Qvantig の承認の継続が検証試験における臨床的ベネフィットの証明及び記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2023年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事、状況の変化等に因るか否かを問わず、一切の将来予測に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

参考文献

  1. Opdivo Qvantig Prescribing Information. Opdivo Qvantig U.S. Product Information. Last updated: December 2024. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
  2. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: October 2024. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
  3. Albiges L, Bourlon MT, Chacón M, et al. Subcutaneous versus intravenous nivolumab for renal cell carcinoma. Ann Oncol. 2024 Sep 15:S0923-7534(24)03996-6.
  4. Albiges L, Bourlon MT, Chacón M, et al. Subcutaneous versus intravenous nivolumab for renal cell carcinoma (Supplementary Data). Ann Oncol. 2024 Sep 15:S0923-7534(24)03996-6.
  5. De Cock E, Kritikou P, Sandoval M, et al. Time Savings with Rituximab Subcutaneous Injection versus Rituximab Intravenous Infusion: A Time and Motion Study in Eight Countries. PLoS One. 2016;11(6):e0157957
  6. Lopez-Vivianco G, Salvador J, et al. Cost minimization analysis of treatment with intravenous or subcutaneous trastuzumab in patients with HER2-positive breast cancer in Spain. Clin Transl Oncol. 2017;19(12):1453-1461
  7. Dent S, Ammndolea C, Christofides A, et al. A multidisciplinary perspective on the subcutaneous administration of trastuzumab in HER2-positive breast cancer. 2019;26(1):e70-e80
  8. McCloskey C, Ortega MT, Nair S, et al. A Systematic Review of Time and Resource Use Costs of Subcutaneous Versus Intravenous Administration of Oncology Biologics in a Hospital Setting. Pharmacoecon Open. 2023;(7)1:3-36
  9. Bittner B, Schmidt J. Advancing Subcutaneous Dosing Regimens for Biotherapeutics: Clinical Strategies for Expedited Market Access. BioDrugs. 2024:38(1):23-46
  10. Burcombe R, Chan S, et al. Subcutaneous Trastuzumab (Herceptin(R)): A UK Time and Motion Study in Comparison with Intravenous Formulation for the Treatment of Patients with HER2-Positive Early Breast Cancer. Advances in Breast Cancer Research. 2012;2(4)
  11. MedlinePlus.gov. Subcutaneous (SQ) injections. Available at https://medlineplus.gov/ency/patientinstructions/000430.htm . Accessed November 25, 2024.
  12. Leveque D. Subcutaneous administration of anticancer agents. Anticancer Res. 2014;34(4):1579-1586

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