抗悪性腫瘍剤「ターゼナ(R)カプセル」去勢抵抗性前立腺がんに対する適応拡大の製造販売承認を申請

2025/05/07  ファイザー 株式会社 

抗悪性腫瘍剤「ターゼナ(R)カプセル」
去勢抵抗性前立腺がんに対する適応拡大の製造販売承認を申請

報道関係各位

2025年5月7日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:五十嵐啓朗)は2025年4月25日、ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤「ターゼナカプセル」(一般名:タラゾパリブトシル酸塩。以下、タラゾパリブ)について、「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」に対する製造販売承認事項一部変更申請(以下、一部変更申請)を厚生労働省に行いました。

タラゾパリブは本邦において、前立腺がんに対しては「BRCA 遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を効能効果として、2024年1月に承認され、同年4月に発売しています。
今回の一部変更申請は、相同組換え修復遺伝子変異を問わない 遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした国際共同第3相試験(TALAPRO-2試験)における全生存期間(OS)の最終解析結果等に基づくものです。本試験では、これまでに主要評価項目である画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)において、タラゾパリブとエンザルタミド 併用投与群でプラセボとエンザルタミド併用投与群と比較して有意な延長が示されていました。今回重要な副次評価項目であるOSの最終解析において、プラセボとエンザルタミド併用投与群と比較してタラゾパリブとエンザルタミド併用投与群で統計学的かつ臨床的に意味のある延長が認められました。また、2年の追跡期間中にタラゾパリブとエンザルタミド併用投与群に新たな安全性の懸念は認められず、これまでの報告と同様に管理可能な安全性プロファイルが示されました。
本邦では、アステラス製薬株式会社が製造販売業者です。

ファイザー株式会社 取締役 医薬開発担当の石橋太郎は次のように述べています。「タラゾパリブの適応症を特定の遺伝子変異を問わない遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに広げることを目的とした一部変更申請ができたことをうれしく思います。本剤を一日でも早くより多くの去勢抵抗性前立腺がんの患者さんにお届けできるよう承認取得に向けて関係者と協力してまいります」

<参考情報>
ターゼナ(R)カプセル(一般名:タラゾパリブトシル酸塩)について
タラゾパリブは、DNA修復で重要な役割を果たしているPARP1およびPARP2の強力な阻害薬です。PARP触媒活性の阻害とPARPトラッピングという2つの機序によって、相同組換え修復または他のDNA修復経路に関与する遺伝子に変異または欠損がある腫瘍細胞で合成致死を誘導します。また、非臨床試験の結果から、PARP阻害薬であるタラゾパリブとアンドロゲン受容体シグナル伝達経路阻害薬であるエンザルタミドを併用投与することで相補的に働き、相同組換え修復遺伝子変異の有無にかかわらず、両薬剤に対するがんの感受性が高まると考えられています1, 2
タラゾパリブは本邦において、「がん化学療法歴のあるBRCA 遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」および「BRCA 遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を効能効果として、2024年1月に承認され、同年4月に発売しています。

TALAPRO-2試験について
去勢抵抗性前立腺がんに対する全身抗悪性腫瘍療法歴がなく、相同組換え修復遺伝子変異の有無を問わない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に、本剤とエンザルタミド併用投与を評価する第3相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、多施設共同試験です。主要評価項目はrPFS、重要な副次評価項目はOSであり、それぞれタラゾパリブとエンザルタミド併用投与群、プラセボとエンザルタミド併用投与群で比較検証を行いました。

<出典>
1 McFarland TR, Kessel A, Swami U, et al. Development of PARP inhibitor combinations for castration resistant prostate cancer unselected for homologous recombination repair mutations. Am J Transl Res. 2021;13(7):7427-39.
2 Rao A, Moka N, Hamstra DA, et al. Co-Inhibition of Androgen Receptor and PARP as a Novel Treatment Paradigm in Prostate Cancer-Where Are We Now? Cancers (Basel). 2022;14(3):801.

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