2025 年 5 月 30 日
JR 九州と Tokyo Artisan Intelligence 株式会社が資本業務提携
~AI を活用した鉄道事業の省力化を加速・展開~ 九州旅客鉄道株式会社(本社:福岡市博多区、代表取締役社長執行役員:古宮 洋二、以下JR 九州)と AI プロダクトの開発を手掛ける Tokyo Artisan Intelligence 株式会社(本社:横浜市港北区、代表取締役/CEO,CTO 中原 啓貴 (東北大学教授 兼任)・代表取締役/COO 岡安一将、以下 TAI)は、鉄道事業における省力化および省人化に寄与する AI プロダクトの開発強化・展開を目的として、資本業務提携を行いましたので、お知らせします。
■資本業務提携の目的
JR 九州と TAI は 2022 年より、鉄道の技術領域において協業を重ねて参りましたが、この度、資本業務提携を通じて更に強固な協力関係を築くことで、両社の取組みを加速させるとともに、新たな付加価値の創出に注力して参ります。
具体的には、これまで以上に迅速に AI プロダクトの共同開発を推進していくとともに、開発した AI プロダクトについて、鉄道他社並びに他産業への外部販売にも注力します。更には、持続可能な鉄道事業を支える高度 AI 人材の育成を連携して実施して参ります。
左:JR 九州 古宮社長、右:TAI 中原代表
■現在の取組み
JR 九州と TAI は、共同開発した「新幹線軌道モニタリング装置」など、鉄道事業の保守・点検業務の AI プロダクトを共同開発し、省力化・省人化を図っています。
主な共同開発
●新幹線軌道モニタリング装置
●新幹線確認車における支障物検知 AI システム
【開発中】 など
■代表者コメント
<九州旅客鉄道株式会社 代表取締役社長執行役員 古宮 洋二>
この度、Tokyo Artisan Intelligence 株式会社様と資本業務提携を締結し、ともに新たな一歩を踏み出すことができることを大変嬉しく思います。
当社は 2025 年 3 月に「JR九州グループ中期経営計画 2025-2027」を定め、重点戦略として、「サステナブルなモビリティサービスの実現」と「未来への種まき」を推進していくことを掲げました。また、2022 年度から「未来鉄道プロジェクト」と題して、中長期的な視点に基づく新技術を活用した未来志向の鉄道の構造改革を進めております。
当社は TAI 様のエッジ AI 技術とその実装力を高く評価しており、鉄道特有の課題解決に親和性が高い現場目線のソリューションに高い期待を寄せています。また、TAI 様との協業と技術革新等を通じて、鉄道事業の安全・安心で効率的な事業運営が実現でき、お客さまへの提供価値を向上させることを目指しています。実際に両社では、2022 年より数多くの実証実験を重ね、エッジ AI 技術を共同開発して参りました。今回の資本業務提携を通じて更に両社の関係が強固になり、社会のDXに資する共同開発がますます加速していくと考えています。
さらに、共同開発したプロダクトは社内利用にとどまらず、類似の課題を抱える他事業者様にも拡大していくことを期待しています。今回の提携を機に、鉄道を含めた社会インフラ業界全体の底上げと新たな事業機会創出につながる取組みを推進して参ります。
加えて、現在も TAI 様には社内のデジタル勉強会や社員研修など幅広い観点においてご協力を賜っているところですが、これらの取組みをさらに拡大し未来の鉄道を支える人材育成においても連携できることを楽しみにしております。
今回の資本業務提携により、両社の関係が一段上のステージに上がり、新たな価値の創造に向けた「共創」と「挑戦」がますます加速していくことを期待しています。
新幹線軌道モニタリング装置 支障物検知 AI システム
<Tokyo Artisan Intelligence 株式会社 代表取締役/CEO,CTO 中原 啓貴 (東北大学教授 兼任) >
この度、九州旅客鉄道株式会社様との資本業務提携を発表できますこと、大変光栄に存じます。長年にわたり九州の皆様の足として安全・安心な鉄道運行を支えてこられた JR 九州の皆様と、当社の強みである現場実装に特化したエッジ AI 技術が連携することで、鉄道インフラの維持管理における新たな価値創造を目指せることを、心強く感じております。また、私個人としても九州出身者として、地元企業である JR 九州様と協業し、展開できることを誇りに思います。
JR 九州の皆様とは新幹線軌道モニタリング装置の開発などを通じて協業して参りましたが、今回の資本業務提携を機に、その関係をより一層深化させ、AI 技術による鉄道 DX を本格的に推進して参ります。特に、新幹線の線路や設備の点検業務における AI 活用を加速することで、これまで熟練の技術者の方々が担ってきた作業の効率化を図り、省力化を実現するとともに、より高度な異常検知システムの構築を通じて、鉄道輸送の安全性向上に大きく貢献する所存です。
東北大学での研究活動を通じて培ってきた知見も活かし、JR 九州様との継続的な技術交流と連携強化を図りながら、鉄道インフラの DX を力強く推進し、鉄道以外も含めた視野も入れて、より安全で持続可能な社会の実現に貢献して参ります。
会社概要
?九州旅客鉄道株式会社
所在地 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目 25 番 21 号
代表者 代表取締役社長執行役員 古宮 洋二
設立 1987 年 4 月
資本金 160 億円
事業内容
・運輸サービス事業
・不動産・ホテル事業
・流通・外食事業
・建設事業
・ビジネスサービス事業
従業員数 15,202 名(2025 年 3 月 31 日時点、連結ベース)
企業 URL
http://www.jrkyushu.co.jp ?Tokyo Artisan Intelligence 株式会社
所在地
神奈川県横浜市港北区新横浜 2 丁目 3-12
代表者
代表取締役 中原 啓貴
代表取締役 岡安 一将
設立 2020 年 3 月
事業内容
・深層学習アルゴリズムの研究開発
・エッジ AI プロダクトの開発および販売
・AI エキスパート・エンジニアの育成
従業員数 60 名 (2025 年 3 月末時点、業務委託・パートナを含む)
企業 URL
https://tokyo-ai.tech