2025 年 12 月 18 日
2025年12月社長会見 1.
営業・輸送概況
2.
駅ホーム除雪の省力化に向けた取り組み
～持続可能な除雪体制を目指して～
3.
今年の振り返りと来年の展望
4.
「イノベーション＆チャレンジデイ」の開催について
詳細
1．営業・輸送概況
【運輸取扱収入（速報値）】
収入につきましては、１１月は前年比で１０６．１％、１２月は１４日までで１００．０％です。
【新幹線・在来線特急・近畿圏のご利用状況（速報値）】
次に、ご利用状況ですが、山陽新幹線は、１１月が前年比で１０６％、１２月が１４日までで１００％、近畿圏は、１１月が９９％、１２月が同じく１４日までで１００％となっております。
１１月・１２月は、引き続き、多くのお客様にご利用いただいております。また、平日のご利用もビジネスや観光を含め、新幹線・在来線ともに堅調に推移いたしております。
これから年末年始の帰省やご旅行に向け、非常に多くのお客様にご予約を頂戴しております。 安心して、快適な旅をお楽しみいただけますよう、年末年始の安全安定輸送に精一杯努めてまいります。
２．駅ホーム除雪の省力化に向けた取り組み
～持続可能な除雪体制を目指して～
次に当社が開発を進めております、駅ホームの除雪の省力化に向けた取り組みについて、ご説明させていただきます。
現在、駅ホームにおける除雪作業は、当社の社員や協力会社の社員によって行っております。しかし、この作業は線路への転落や列車との接触といった安全上のリスクを伴うほか、今後、人口減少や高齢化が進むなかで、ますます人財の確保が困難になっていくものと考えております。融雪マットなどのハード設備については一部の駅で導入いたしておりますが、設置箇所が限定されるうえ、工事費やランニングコストが負担になっております。
こうした課題に対応するため、当社は「作業者の安全確保」と「除雪作業の省力化」を「低コスト」で実現する除雪機の開発に取り組んでいます。
具体的には次の 3 つのステップで開発を進めております。
第 1 段階は、リモコン式除雪機の開発です。これによりまして、作業員がホームの端に近づくことなく除雪することが可能となり、線路への転落や列車と接触するリスクを低減します。
第 2 段階では、遠隔操縦を目指しております。これにより、一人が遠く離れた支社や事務所から複数の駅の除雪を担当できるようになり、大幅なコストの低減が可能になります。
そして、第 3 段階では自律走行を目指します。これにより、作業時間や人手、コストを抜本的に削減し、一定の条件下ではありますが、除雪作業そのものの省力化が実現できます。
今回ご紹介するのは、第 1 段階にあたるリモコン式除雪機です。当社グループ会社の JR 西日本テクシア、そして青森県に本社がございますササキコーポレーション様と連携し、開発を進めております。ササキコーポレーション様は、創業から 120 年を超える企業でして、電動リモコン作業機や電動除雪機の分野で豊富な開発実績をお持ちのメーカーです。
駅のホームにはさまざまな形状があり、狭い場所や除雪作業においては障害物となる設備が多く設置されている箇所もあります。また、作業中に線路へ転落するリスクもあり、それらを考慮した安全確保が必須の要件となります。
これらの課題に対応するため、今回開発した除雪機は、降雪や凍結面でも安定して走行できる「クローラー」を採用することで、狭いホームでも旋回が容易にできる仕組み・仕様としました。さらに、転落防止センサによってホームから転落するリスクを検知した際には、停止や動作制限がかかる独自の制御技術を備えることで、駅ホームという制約の多い環境でも、確実で安定した除雪作業を行うことが可能となります。
これにより、作業員がホームの端に身を置く必要がなくなり、線路への転落や列車との接触といったリスクの低減につながります。また、除雪機を操作する身体的な負荷が軽減され、作業者の裾野を広げることが可能となります。加えて、効率的な除雪により、作業時間や費用の低減も期待できます。
今回開発しました除雪機は、今月より越美北線の越前大野駅と美山駅で試行導入いたします。来年 1 月には報道機関の皆様への公開を予定しております。お寒い中ではありますが、現場での安全性や除雪効果などをご覧いただきたいと考えております。
今後、他の鉄道会社や鉄道業界以外への導入も視野に入れ、2026 年度の技術確立を目指して開発を進めてまいります。安全を最優先に、人手作業の負担軽減と省力化を進め、持続可能な鉄道システムの構築に繋げたいと考えております。
公式ページ（続き・詳細）はこちら
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/d25979b7eec1a83f3b3ebee4af7a3b06.pdf 