2026 年3月12日
株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー
伊那市と連携した橋梁点検システムの展開について
長野県伊那市(市長:白鳥 孝、以下「伊那市」)、並びに株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:池田 敬、以下「NTT-ME」)は、令和5年度から令和7年度で実施した橋梁点検のコスト削減を目的とした「アジャイルドローンによる橋梁点検構築事業」の成果物である「橋梁点検システム」について、伊那市と連携協定を締結し、相互に協力のもと、広く展開していきます。
1. 取り組みの背景
橋長2.0m以上の橋梁は、5年に1回の間隔で点検することが基本※とされており、伊那市においても700橋を超える橋梁が対象となっています。従来の橋梁点検では、大型橋梁点検車やロープアクセスによる目視点検が行われてきましたが、点検費用が高額であることに加え、高所作業による点検者の安全確保が課題となっています。また、点検者の高齢化が進む中で、高度な技術を要する点検手法の担い手不足も深刻化しています。
こうした社会的課題を背景に、伊那市、NTT 東日本株式会社長野支店(支店長:喜内 久雄)および NTTME は、令和5年度から令和7年度にかけて、従来手法の代替となる橋梁点検手法の構築に取り組んできました。3か年にわたる実証実験を通じて、ドローンによる橋梁点検箇所の撮影手法および、AI を活用して点検作業を支援するプラットフォームについて一定の成果を得ることができました。
本実証実験で得られたノウハウを、同様の課題を抱える地方公共団体や、橋梁点検業務を受託する建設コンサルタントに広く活用していただくため、伊那市とNTT-ME が連携し、情報提供および導入支援を行っていきます。
※国土交通省「道路橋定期点検要領」に準拠
2. 橋梁点検システム概要
(1) ドローンを活用した点検箇所の撮影手法の検討
従来手法では、大規模橋梁において橋梁点検車やロープアクセスを用い、橋脚等のコンクリート部材に発生したひび割れ等を目視で点検してきました。橋梁点検車のレンタルやロープアクセスの安全対策には、非常に多くのコストがかかることから、本取り組みではこれらを重点的なコストカット対象としました。
本手法では、目視点検の代替として、高画質な写真撮影が可能なドローンを活用し、橋梁の点検箇所を撮影します。橋梁点検では、コンクリート部材における 0.1mm 程度の微細なひび割れを確認する必要があるため、ドローンを用いた撮影においても、同等の精度が確保できることが求められます。そのため、一般的に利用されるドローンのカメラ画素数を踏まえ、対象物とドローン間の撮影距離や、移動撮影時の飛行速度、画像合成に必要なラップ率を検討・整理しました。あわせて、効率的な撮影ルートを含む撮影手順書を作成し、安定した品質での撮影を可能としました。
<取り組みイメージ>
(2) AIによるコンクリート部材のひび割れ点検作業の効率化(プラットフォーム)
これまで現地で作業員が実施してきた、ひび割れの幅、位置、長さ等の点検作業について、ドローンで撮影した画像を用いてAIが検出を行います。
まず、ドローンで撮影した写真をプラットフォームにアップロードし、それらの画像を合成して点検対象全体の画像を作成します。全体画像を作成することで、AI によるひび割れ位置の特定作業を効率化します。次に、アップロードされた画像から AI がひび割れを検出し、画像上に表示します。AI が検出したひび割れについては、プラットフォーム上で手動による追記や修正が可能で、修正後の情報はPDFやDXF形式で出力できるため、点検調書への反映作業の省力化・効率化にも寄与します。
<プラットフォームイメージ>
<AI解析サンプル>
3. 今後の展開について
伊那市およびNTT-ME は、橋梁点検業務を担う地方公共団体ならびに、橋梁点検業務を受託する建設コンサルタントに対し、本手法や橋梁点検プラットフォームに関する情報提供導入支援を行うことにより、社会課題の解消に貢献していきます。
4. お客さまからのお問い合わせ先
お問い合わせ・ご関心をお持ちの方のご連絡をお待ちしております。以下お問い合わせ先よりお気軽にお問い合わせください。
NTT-ME 橋梁点検システム問い合わせ窓口
メールアドレス:kyoryo-pf-ml@east.ntt.co.jp