Datroway(R)(ダトポタマブ デルクステカン)の米国におけるトリプルネガティブ乳がん一次治療に係る一部変更承認取得について

2026/05/25  第一三共 株式会社 

2026年5月25日

Datroway(R)(ダトポタマブ デルクステカン)の米国における
トリプルネガティブ乳がん一次治療に係る一部変更承認取得について


第一三共株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 兼 CEO:奥澤 宏幸、以下「当社」)は、Datroway(R)(ダトポタマブ デルクステカン、抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)*1、以下「本剤」)について、米国食品医薬品局(FDA)より、PD-1/PD-L1阻害剤による治療の対象とならない転移性または局所再発性の手術不能なトリプルネガティブ乳がん患者への一次治療に係る一部変更承認を取得しましたので、お知らせいたします。

本適応は、2026年2月にFDAより承認申請が受理され、優先審査*2のもとで承認されました。本承認は、2025年10月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025)で発表されたグローバル第3相臨床試験(TROPION-Breast02)の結果に基づくものです。本試験は、免疫療法による治療の対象とならない未治療の転移性または局所再発性の手術不能なトリプルネガティブ乳がんを対象に、化学療法投与群と比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間*3の延長が初めて認められた試験です。

本剤は、米国において、トリプルネガティブ乳がんの一次治療を対象に承認された初めての抗TROP2 ADCです。本剤がFDAより承認を受けた適応は、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の乳がん、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がんに続いて3つ目となります。

現在、TROPION-Breast02の結果に基づく承認申請は、Project Orbis*4のもとで、オーストラリア、カナダおよび他の規制当局にて審査を受けています。なお、日本、中国およびEUにおいても承認申請中です。 当社は、トリプルネガティブ乳がんの一次治療に新たな選択肢を提供することで、米国のより多くの患者さんに貢献してまいります。

以上

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤でがん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2 FDAの優先審査とは、治療上重要な進歩をもたらす薬剤や、現在適切な治療法がない疾患への治療法 を提供する薬剤に対して指定されるもので、通常審査期間(10ヵ月目標)に比べ審査期間の短縮(6ヵ月 目標)が見込まれます。

*3 全生存期間とは、原因を問わず死亡するまでの期間です。

*4 Project Orbis とは、複数の参加国間でがん治療薬の申請と審査を同時に行うための枠組で、臨床的意義のあるがんの治療法をできるだけ早く患者さんへ届けることを目的としています。

トリプルネガティブ乳がんについて

トリプルネガティブとは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体およびHER2の3つが陰性であることを意味します。トリプルネガティブ乳がんは、世界で年間約35万人が診断され、乳がん全体の約15%を占めると言われています。米国では、2025年に約3.2万~4.8万人がトリプルネガティブ乳がんと診断されたと推定されています。転移性トリプルネガティブ乳がんは、他の乳がんと比較して予後が悪く、若年層および閉経前の女性でより多く診断され、5年生存率は約15%との報告があります。

PD-L1発現腫瘍を有する転移性患者においては、化学療法に免疫療法を追加することで、一次治療における治療効果が改善されたものの、転移性トリプルネガティブ乳がん患者の約70%は免疫療法による治療の対象外と言われています。

TROP2は、トリプルネガティブ乳がんを含む複数の固形がんに高発現するタンパク質の一種で、乳がんの進行や生存率の低下に関係していると言われています。

ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)について

ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)は、がん細胞の細胞膜上に高発現する抗原TROP2と特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体(札幌医科大学との共同研究)に、当社独自のリンカーを介してトポイソメラーゼⅠ阻害剤(以下「DXd」)を結合させた薬剤で、1つの抗体につき約4個のDXdが結合しています。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されています。

第一三共のADCパイプラインについて

第一三共のADCパイプラインは、第一三共独自のADC技術プラットフォームから創製された、商業化・臨床開発段階にある8つのADCから構成されています。

その中の7つのADCは、がん細胞表面に発現する特定の抗原を標的とした抗体と、複数のトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)をリンカーを介して結合させ、がん細胞の内部へDXdを届けるDXd ADC技術を用いて創製されました。トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ(R)、抗HER2 ADC)およびダトポタマブ デルクステカン(ダトロウェイ(R)、抗 TROP2 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてアストラゼネカと共同で開発および商業化を進めています。イフィナタマブ デルクステカン(I-DXd/DS-7300、抗B7-H3 ADC)、ラルドタツグ デルクステカン(R-DXd/DS-6000、抗 CDH6 ADC)およびパトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402、抗HER3 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)において Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA と共同で開発および商業化を進めています。DS-3939(抗TA-MUC1 ADC)およびDS3790(抗CD37 ADC)は当社が単独で開発を進めています。

DS3610(STING アゴニスト ADC)は、STINGアゴニストとして作用する新規ペイロードを、Fc領域に変異を導入したモノクローナル抗体に結合させたADCで、当社が単独で開発を進めています。

なお、イフィナタマブ デルクステカン、ラルドタツグ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン、DS3939、DS3610 および DS3790 は現在開発中の薬剤です。安全性および有効性はまだ確立されておらず、各国の規制当局による薬事承認は受けていません。

本件に関するお問い合わせ先
第一三共株式会社 広報部
TEL: 03-6225-1126

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