産業用ボイラのトップメーカーである三浦工業株式会社 (本社:愛媛県松山市、代表取締役:宮内大介) は、新滅菌技術を搭載した過酸化水素ガス滅菌器 「XZ-100型」が医療機器として承認されたことを受け、2021年12月より医療機関向けに販売を開始しました。
<開発の背景>
医療現場において、樹脂製器材の劣化低減と使用回転率UP につながる 「低温滅菌」 「低濃度薬剤滅菌」 「短時間滅菌」 をおこなえる滅菌器が必要とされています。さらに、災害に備え、電源復旧すれば稼動できる滅菌器のニーズも年々高まっています。
このような背景から、過酸化水素にオゾンを添加することで、過酸化水素より強力な酸化力を生み出す新滅菌技術 「ETstera(R)」(※1) を活用して、お客様の要望に沿った過酸化水素ガス滅菌器「XZ-100型」 を商品化いたしました。
<製品の特長>
1.低温滅菌
50℃の低温滅菌のため、熱に弱い樹脂製器材を処理できます。
2.低濃度薬剤滅菌
2-1.器材の残留過酸化水素の低減
ETstera(R)の活用で滅菌時の過酸化水素濃度を抑え、器材に残留する過酸化水素を低減します。
その結果、作業者の過酸化水素ばく露のリスクを減らすことができます。
2-2.器材の劣化抑制
ETstera(R)により滅菌時の過酸化水素濃度を低減でき、器材劣化を抑制できます。
3.短時間滅菌
最短35分での滅菌が可能で、1日に複数回の滅菌処理ができます。(※2)
4.災害時対応
災害時に自家発電や専用受電等で電源だけが復旧すれば滅菌を行うことができます。
5.SDGs(環境調和)
過酸化水素とオゾンは環境に影響のない水と酸素に分解されます。
6.有害物質の分解・不活化
強力な酸化力により、有害物質を分解・不活化が行われます。(※3)(※4)(※5)
<販売機種>
販売名:XZ-100型
一般的名称:過酸化水素ガス滅菌器
医療機器承認番号:30300BZX00312000
<販売標準価格> 28,000千円 (税抜)
<販売目標> 年間100台
<装置外観>
過酸化水素量ガス滅菌器 「XZ-100型」 2色からお選びいただけます。
<注記>
※1:ETsteraは三浦工業(株)の登録商標です。
※2:ショートモードの場合です。(標準モード:約55分、ロングモード:約70分、ETモード:約105分)
※3:Nomura Y, Yamamura J, Fukui C, Fujimaki H, Sakamoto K, Matsuo K, Kuromatsu H, Kikuchi Y, and Haishima Y: "Performance evaluation of bactericidal effect and endotoxin inactivation by low‐temperature ozone/hydrogen peroxide mixed gas exposure."J Biomed Mater Res Part B. 2021;1-10
※4:Nomura Y, Fukui C, Yamamura J, Kuromatsu H, Naito T, Takahashi Y , and Haishima Y: "洗浄・滅菌した再使用可能な医療機器に残留する発熱性物質の評価"医機学 Vol.91, No.4 (2021) (9)
※5:Hara H, Chida J, Agriani Dini Pasiana, Uchiyama K, Kikuchi Y, Naito T, Takahashi Y ,Yamamura J ,Kuromatsu H , and Sakaguchi S: "Vaporized Hydrogen Peroxide and Ozone Gas SynergisticallyReduce Prion Infectivity on Stainless Steel Wire"International Journal of Molecular Sciences 2021,22,3268
以上
※関連する過去のニュースリリース
2020/5/11発行
「過酸化水素+オゾンガス」によるハイブリッド処理で革新的な新滅菌技術を開発
~不活化が難しいエンドトキシンなどの毒性物質を効率的に処理~
https://www.miuraz.co.jp/news/newsrelease/2020/907.php