【岐阜県高山市】2025年の干支は巳(み)!飛騨の伝統工芸『一位一刀彫』のヘビの置物づくりがピークを迎えています

2024/12/10  高山市  

縁起の良いヘビの一位一刀彫で新しい年を


ヘビの置物を彫る津田さん

岐阜県高山市で、飛騨地方の伝統工芸「一位一刀彫」による、来年の干支「巳」にちなんだヘビの置物作りが現在、最盛期を迎えています(12月4日撮影)。
「飛騨一位一刀彫」は江戸時代末期、彫師・松田亮長(まつだすけなが)により生み出されたと言われる飛騨地方の伝統工芸品です。材は、高山市の木でもある銘木「イチイ」を使用し、木目の美しさを生かしながら彫刻刀だけで仕上げます。「イチイ」には雷が落ちないという伝説があり、古くから災難が起こらない縁起の良い木として使われてきました。

一位一刀彫のヘビの置物

高山市本町にある江戸時代から続く彫刻店「津田彫刻」では、ともに伝統工芸士の兄弟、津田和彦さんと真吾さんが、毎年この時期に新年の干支の置物を作っており、今年も10月中旬頃から来年の干支のヘビの置物づくりが始まりました。
50本ほどある彫刻刀を使い分けてイチイの木材を彫り、木目がきれいに出るように丁寧に曲線を彫っていきます。怖がられることが多い存在のヘビですが、とぐろを巻いたデザインだけでなく、帽子をかぶり蝶ネクタイをつけたものや丸く巻いた形のかわいらしいデザインのもの、白太を活かした白へビなどを制作しています。「ヘビ」は脱皮を繰り返すことから「復活と再生」を連想させ、縁起が良いとされ、白ヘビは金運をもたらすとも言われています。弟の真吾さんは「輪になったヘビのようにすべて丸く収まる素晴らしい年になってほしい」と話しました。
置物は約7センチの小さいものから約30センチの大きなものまで、8種類計約200体を作りあげ、値段も1体3,300円から6万円ほどと様々です。
この工房でのヘビの置物づくりは年末まで続きます。新しい年に、縁起の良いヘビの置物を飾ってみてはいかがでしょうか。
良質な素材と、匠の技の芸術品。鋭さと巧みさに冴えが光る彫り『一位一刀彫』
一位一刀彫の起源は、天平の昔から奈良や京の都などで社寺の造営に力をふるった「飛騨の匠」たちです。現在でも、有名な高山祭の屋台の彫刻にその技を見ることができます。その後、江戸末期に活躍した、高山出身の根付彫刻師、平田亮朝(ひらたすけとも)、松田亮長らによって盛んになりました。
木目が美しく、次第に茶褐色になり艶が出てくる「一位の木」を材料に、加飾、着色をせず、彫刻刀の技のみで鋭く彫り上げ作品を表現します。また、良質な素材を選び木目の流れ、赤太(あかた)、白太(しらた)といった木の色合いを巧みに利用する、それが一位一刀彫の技なのです。
地元岐阜県の木にもなっている、「一位の木」の語源は、かつて、天皇即位の折りに「笏(しゃく)」として献上したところ、他の材より美しく質が高かったので「正一位」という最高の位が与えられた等の説があります。この木は、赤太、白太の二つの色調を持ち、木目が美しく、時を経るにしたがって艶のある茶褐色に変化していくのが特徴です。

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飛騨一位一刀彫協同組合(津田彫刻)
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