1941年に現在の地に開館した当館は、2026年に開館85周年を迎えます。この記念の年の展覧会スケジュールをお知らせいたします。

2026年度の展覧会は毎年恒例の国宝「燕子花図屏風」(尾形光琳筆 18世紀)を中心とした特別展で幕を開けます
根津美術館は、実業家・初代根津嘉一郎(1860-1940)が蒐集した古美術コレクションを元に、その長男である二代根津嘉一郎(1913-2002)が開館した美術館です。明治維新以降の日本の美術品の海外流出を憂いて初代嘉一郎が精力的に蒐集した収蔵品は、絵画、書蹟、彫刻、陶磁、漆工、染織、金工などの幅広いジャンルにわたり、現在国宝7件、重要文化財93件を含む約7600件を数えます。これらのコレクションを活かし、2026年度も以下の個性豊かな6展覧会を開催いたします。
尾形光琳の弟子である渡辺始興や深江芦舟、弟・乾山、乾山に学んだと伝える立林何帠。知られざる「光琳派」の作品を展観し、琳派の歴史に新たな光を当てます。米クリーブランド美術館所蔵の「燕子 花図」(渡辺始興筆 江戸時代・18世紀)との競演もお楽しみに。

燕子花図屏風 渡辺始興筆 日本・江戸時代 18世紀 米・クリーブランド美術館蔵

国宝 燕子花図屏風 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵
同時開催展:展示室6 初夏の茶の湯
なんとなく敷居が高いと思われがちな古美術の専門用語を用例とともにわかりやすく解説し、その面白さやすばらしさをご紹介する「初めの古美術鑑賞」シリーズ第7弾。賛や署名をはじめ絵画や工芸作品のなかにあるさまざまな文字に注目し、それらの文字に託された役目を考えることで、鑑賞の手がかりをご提示します。

色絵寿字文独楽形鉢 肥前 日本・江戸時代 17~18世紀 根津美術館蔵 山本正之氏寄贈

紅葉流水図 日本・室町時代 14~15世紀 根津美術館蔵
同時開催展:展示室5 うた、ものがたりと蒔絵 / 展示室6 涼一味の茶
2,300件におよぶ館蔵の陶磁器から名品を選りすぐり。3つの展示室を巡って、中国・日本・朝鮮半島、それぞれの地域の陶磁器の多彩な魅力をお楽しみください。展示室6も「名物茶陶」でやきもの三昧です。

三彩鍑 中国・唐時代 8世紀 根津美術館蔵

重要文化財 銹絵染付金彩絵替土器皿 京都 尾形乾山作 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

粉青掻落牡丹文扁壺 朝鮮半島・朝鮮時代 15世紀 根津美術館蔵 秋山順一氏寄贈
同時開催展:展示室6 名物茶陶
外来の楽や舞を取り込みながら独自の発展を遂げた日本の古典芸能・舞楽。本展ではその歴史的諸相を装束と絵画を通してご覧いただきます。

舞楽図屏風 久住守景筆 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

宛帯 紅地龍鳳凰花唐草模様金襴 日本・南北朝時代 貞和3年(1347)銘 遠山記念館蔵
同時開催展:展示室5 白描の美 / 展示室6 開炉-冬を迎える-
彫漆、鎌倉彫、鎗金、填漆、蒟醤など、「彫る」ことで表現する漆工技術を特集します。東アジアで見られるさまざまなバリエーションをお楽しみください。

重要文化財 楼閣人物填漆箪笥 中国・明時代 15世紀 根津美術館蔵

牡丹堆朱盆 中国・明時代 15世紀 根津美術館蔵
同時開催展:展示室5 根津美術館の古典籍-百万塔陀羅尼から南総里見八犬伝まで- / 展示室6 冬の茶会-ゆく年くる年-
根津美術館の仏像コレクションは、日本の私立美術館屈指の質と量を誇っています。この度は、それらの中から優品を精選し、コレクションの粋を紹介いたします。

菩薩立像 日本・平安時代 12世紀 根津美術館蔵

不動明王立像 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵
同時開催展:展示室5 泥絵-幕末明治の都市と名所- / 展示室6 春の茶の湯
◆仏教美術の魅力:エントランスホール-展示室3-地下1階
生前仏教寺院建立を目指した初代嘉一郎は、仏教美術を旺盛に蒐集しました。ガンダーラから中国の石彫、日本の木彫などを展示しています。(展示室3は年1-2回の展示替えあり。)

庭園の緑を背景にしたエントランスホールの仏像展示
◆古代中国の青銅器:展示室4
殷時代後期、約3000年前の当館の青銅器は、世界屈指のコレクションとして知られています。

重要文化財 双羊尊 中国・おそらく湖南省 紀元前13~紀元前11世紀 根津美術館蔵
◆NEZUCAFE

本館同様隈研吾氏設計による3方をガラスで囲まれたカフェでくつろぎのひと時を
◆ミュージアムショップ

所蔵作品をモチーフにした個性豊かなオリジナルグッズを取り揃えております
◆庭園:美術鑑賞のあとは、根津家私邸時代の面影を残す庭園散策もおすすめです

初夏のカキツバタ(4月下旬~5月上旬)

秋の紅葉(11月下旬)
取材・掲載画像のお申込み本リリース掲載画像の広報利用をご希望の際は、根津美術館広報課へご連絡ください。