「現場で働く女性のキャリア形成(管理職など)および女性活躍推進」に関する調査レポート

2025/12/18  あすか製薬 株式会社 

日本初の女性総理大臣誕生で、“女性管理職”の環境はどう変わる?企業の女性管理職、「いない」が約4割、目標数値が無い企業は約4割管理職に求められるスキルに「男女差があると感じる」人は5割女性管理推進のカギは、職場全体の“ヘルスリテラシーの向上”令和の女性活躍推進に関する実態を明らかにする調査実施
 あすか製薬株式会社(本社:東京都港区、社長:山口 惣大)は、「女性活躍推進」に関する調査(以下、本調査)を実施しましたのでお知らせします。
 2025年10月、日本で初めての女性の首相が誕生しました。ジェンダー平等で世界的に遅れているといわれる日本で、女性の活躍および権利拡大が推進されることへの期待感が強まっている状況といえます。そこで、主に民間企業・団体で働く女性、特に女性管理職に関する環境や周囲の理解度、管理者登用への期待感、またその障壁などの意識と実態に関して、一般社員・管理職社員含む男女計800名に対して、調査を実施しました。
 本調査によると、女性従業員の人数比率は平均約4割(38%)であり、女性従業員が「いない」は約1割。女性管理職についても「いない」が約4割(36.8%)と、まだまだ働く現場での女性活躍および女性のキャリア形成(管理職登用含む)には課題がありそうです。そのほか、本調査結果の詳細は以下の通りです。
■調査結果概要
▶トピック1.:女性従業員、管理職の実態とは。管理職登用数の具体的目標が無い?
・女性従業員数の人数比率は平均約4割(38%)で、「女性従業員がいない」も10.1%
・「女性管理職がいない」が36.8%で最多。目標登用数に関して、「特に目標や方針はない」が約4割
・女性管理職比率は、従業員数が多いほど低下する傾向にある
▶トピック2.:管理職に求められるスキルに男女差あり?女性のキャリア形成の障壁
・女性管理職を目指しにくい状況、「わからない」が約4割(36.8%)と高く、問題が顕在化されていない
・女性が管理職を目指す障壁、女性管理職と女性管理職候補で感じるハードルの高さに違いが
・管理職に求められる素養やスキルに男女差が「ある」と回答した人は約5割。女性の方が性差を感じる
▶トピック3.:女性管理職増加には“制度改革”と”ヘルスリテラシー向上”がカギ
・女性の管理職増加に必要だと思う改革・取り組みは、「柔軟な働き方を可能にする制度改革
(在宅・時短勤務・時差勤務など)」のスコアが最も高い
・男性従業員の“働く女性の活躍”への理解を深めるために必要な取り組みは、「人事制度や評価基準の見直し・透明化」が最多。次いで「男女双方が学ぶ健康リテラシー研修」と続く
・ヘルスリテラシーが高まることで期待できる効果は、「男女問わず働きやすい文化が醸成される」が1位
【調査概要】
スクリーニング調査 対象:20~60代の男女 5,188人、全国
本調査       対象:20~60代の男女 800人、全国、有職者
調査手法        :インターネットリサーチ/ 実施期間:2025年10月


トピック1.:女性従業員、管理職の実態。管理職登用数の具体的目標が無い?

・女性従業員数の人数比率は平均約4割(3.8割)で、「女性従業員がいない」も10.1%
・女性の管理職、「いない」が36.8%で最多。目標登用数に関して、「特に目標や方針はない」が約4割
・女性管理職比率は、従業員数が多いほど低下する傾向にある
 女性従業員数の比率は、平均約4割(3.8割)となり、最も多いのは、「1~2割」。次いで「3~4割」、「5割(半々)」、「女性従業員はいない」という結果となりました。また、女性の管理職について最も多いのは、「女性の管理職はいない」(36.8%)で約4割となりました。本調査では、女性従業員の割合は5割を下回り、女性管理職は約4割の企業で存在せずという結果となりました(グラフ1.2.)。なお、女性管理職の人数に関しては従業員数が多いほど低下する傾向にあり、女性従業員が多くても管理職には昇進できていない現状のようです(グラフ3.)。
 また、女性管理職登用における明確な目標を持たない企業は約4割超(44.2%)となり、そもそも女性管理職登用に関しての具体的目標を設定できていないことが、女性管理職登用への意識の低下、結果として女性管理職登用のアクションに繋がっていない状況を生んでいるようです(グラフ4.)。









トピック2.:管理職に求められるスキルに男女差あり?女性のキャリア形成の障壁

・女性管理職を目指しにくい状況、「わからない」が約4割(36.8%)と高く、問題が顕在化されていない
・女性が管理職を目指す障壁、女性管理職と女性管理職候補で感じるハードルの高さに違いが
・管理職に求められる素養やスキルに男女差が「ある」と回答した人は約5割。女性の方が性差を感じる
 職場において女性が管理職を目指しにくい状況にあるか聞いたところ、「目指しにくい状況にない」と回答した人が41.8%という結果の一方、「わからない」と回答した人は36.8%という結果となり、女性が管理職を目指すことについて職場全体の意識が低く、女性の管理職が少ないという点が問題視されていない結果となりました(グラフ5.)。
 そして、女性が管理職を目指すうえで、現実的にどのような障壁があると思うか聞いたところ、「育児や介護など、家庭との両立が難しい」(18.6%)、「そもそも管理職を目指したいと思う女性が少ない」(17.8%)、「管理職になるメリットや意義が見えにくい」(14.4%)、「ロールモデルとなる女性管理職が身近にいない」(14.1%)などが上位となりました(グラフ6.)。女性管理職は「プライベートが犠牲になるイメージ」「昇進後の支援体制が整っていない」「制度や支援があっても利用しにくい雰囲気がある」が男性管理職や女性一般社員44歳以下に比べて高い一方、女性一般社員44歳以下は「育児や介護など家庭との両立が難しい」のほか、「管理職を目指したいと思う女性が少ない」「ロールモデルとなる女性管理職が身近にいない」「自分の能力やスキルに自信が持てない」などが高く、双方から私生活との両立が難しい点があげられ、管理職では昇進後の支援、若年女性では管理職を目指すハードルの高さが障壁としてあげられる結果となりました。
 また、管理職に求められる素養やスキルに、男女による違いがあると思うかという質問には、「ある」と回答した人が約半数(48.0%)との結果に。さらに、男性は40.8%なのに対し女性は55.3%が「ある」と回答しており、特に女性管理職は「明確にあると思う」人が17.0%で女性一般社員層と比べて高く、実際に女性管理職を経験している人が男女差を強く感じているのが実態のようです(グラフ7.)。
 管理職に求められる素養やスキルについて、男女で違いがあると思うか聞いたところ、それぞれ男性管理職にはリーダーシップ・意思決定・論理的思考など、判断・主導・戦略性が期待され、女性管理職にはコミュニケーション力・共感力・調整力・感情マネジメントなど、ケア・調整・感情面の役割が期待されやすいようです(グラフ8.)。
こうした“言語化されない期待”が、男女のキャリアの進み方を静かに方向づけている状況がありそうです。












▶トピック3.:女性管理職増加には“制度改革”と”ヘルスリテラシー向上”がカギ

・女性の管理職増加に必要だと思う改革・取り組みは、「柔軟な働き方を可能にする制度改革(在宅・時短勤務・時差勤務など)」のスコアが最も高い
・男性従業員の“働く女性の活躍”への理解を深めるために必要な取り組みは、「人事制度や評価基準の見直し・透明化」が最多。次いで「男女双方が学ぶ健康リテラシー研修」と続く
・ヘルスリテラシーが高まることで期待できる効果は、「男女問わず働きやすい文化が醸成される」が1位
 続いて、女性管理職を増やすうえで必要だと思う改革・取り組みについて聞いたところ、「柔軟な働き方を可能にする制度改革(在宅・時短勤務・時差勤務など)」(30.0%)が最も多い結果となりました。次いで「女性管理職の登用後のフォロー体制強化」(28.5%)、「上層部や管理職層の意識改革」(26.1%)、「健康・ライフステージへの理解と支援体制の整備」(26.0%)となり、現場の制度自体の変革と女性特有の健康・ライフステージへの理解が必要と感じる人が一定数いることが判明しました(グラフ9.)。特に女性は、「柔軟な働き方を可能にする制度改革」や「健康・ライフステージへの理解と支援体制の整備」について男性が思う以上に、これらの取り組みが必要と感じているようです。
 さらに、「女性管理職に対する男性従業員の理解をさらに深めるために、企業として特に必要だと思う取り組み」については、「人事制度や評価基準の見直し・透明化」(38.5%)が1位。次いで「男女双方が学ぶ健康リテラシー研修(妊娠・出産・更年期などの基礎理解)」(32.3%)、「女性管理職や社員との対話・座談会の実施」(26.5%) となりました。女性が管理職を目指す・目指さない関係なく、活躍する土壌を作るためには人事制度や評価制度の改革だけではなく、社員一人ひとりの「ヘルスリテラシー」を高めるための取り組みを求める声が今後高まりそうです(グラフ10.)。
 社員のヘルスリテラシーが高まることで、どのような効果が期待できると思うか聞いたところ、「男女問わず働きやすい文化が醸成される」(35.0%)が最も高く、次いで「社員一人ひとりの健康意識が高まり、自己管理力が向上する」(32.4%)、「体調不良やメンタル不調による欠勤・離職が減少する」(30.8%)などポジティブな印象を抱く人が多いようです(グラフ11.)。女性が働きやすい職場を作る、そして職場で働くすべての人々が活躍でき、多様なキャリアを形成できる土壌を作るうえで、“ヘルスリテラシー向上”は重要な役割を担うことがわかりました。
 性別に関係なく従業員一人ひとりの活躍が推進され、生産性を向上させることが“働きやすい”職場に繋がるようです。従業員同士の活躍を支える“健康”に対して、他者理解を促進するようなヘルスリテラシーを向上させることが今後の企業成長において重要です。









▶調査サマリ

調査から見えてきた「女性管理職登用の過渡期にある様々な課題」。課題解決の一つのアプローチとして、組織全体が“知識を共有し合う仕組みづくり”がカギ!
「Mint⁺フェムナレッジ」ができることとは?
▶ 本人と周囲に必要な知識を提供し、安心して相談・支援できる環境づくりを後押し
 女性が管理職を目指しやすくするための改革・取り組みとして、女性一般社員からは、柔軟な働き方やキャリア支援と並んで、「女性特有の健康やライフイベントへのサポート」を求める声が多くあげられました(グラフ12.)。
 女性が安心してキャリアに踏み出すためには、職場全体が正しい知識を共有し、支援のあり方を理解していることが必要です。



▶ 制度だけでは補えない“共通理解”を職場に整え、女性の挑戦を支える基盤をつくる
 男性従業員の理解促進に必要な取り組みとして「男女双方が学ぶ健康リテラシー研修」が上位に挙がりました。女性の健康課題について、全員が共通の基礎知識を持つことが、適切なサポート体制をつくる前提条件となっているようです。
 さらに、
研修や体験型ワークショップの必要性は男女間で評価が分かれ、本人と周囲の温度差が依然として存在する現状が明らかになりました。このギャップを埋めるには、組織全体が“知識を共有し合う仕組み”を持つことが不可欠といえます(グラフ10.)。
  「Mint⁺フェムナレッジ」のサービス概要は以下を参照ください。




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 あすか製薬株式会社は1920年の創立以来、医療用医薬品の製造・販売を続け、なかでも「女性の健康をサポートする会社」として産婦人科領域に注力してきました。100年以上、女性の健康に寄り添ってきたからこそ、悩みや正しい知識を共有できる場をつくり、働く人が、少しでも安心して、心地よくいられるようにという思いから、企業や団体等で働くすべての人を対象に、「働く人が知っておきたい性のこと」をコンセプトにした「Mint⁺ Femknowledge(ミントフェムナレッシ゛) 『女性の健康に関する研修動画』」を販売しています。

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 「Femknowledge」は、「Femtech」と「knowledge」を掛け合わせた造語です。ヘルスリテラシーの向上により、女性特有の悩みを解決することを願って命名しました。
 「知らないと、わかりあえないことがある。」をコンセプトに、女性の健康に関する正しい情報や、性に関する悩みとその解決策を提供する場を展開しています。
 なお、「Femknowledge」および「フェムナレッジ」は、あすか製薬の登録商標です。



 あすか製薬株式会社 https://www.aska-pharma.co.jp/

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