総合卸業界は、業界規模は限定的ながら、国内外含めた多様なモノの流通に関与し日本の経済発展に貢献してきた
ここでは、主に五大商社である三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事を総合卸として扱う。参考までに、五大総合商社の2022年度の連結業績は、収益合計が65.8兆円、従業員合計が370,445人である。これは他業界に含まれるグループ企業を含む数字である。
総合商社業界は、原材料や完成品の国内外におけるトレーディングを広く担う業界である。統計上、総合卸に分類される卸売企業も限られ、業界規模は決して大きな業界ではない。一方で、トレーディングや事業開発により新たなバリューチェーンを創り出すことで国内外のあらゆる企業と関わっており、産業に対する影響力は大きい。戦前は財閥というかたちで三井、住友、三菱財閥の筆頭として、金融、鉄鋼、造船、化学など各業界に影響を与えてきており、日本の経済発展に大きく貢献してきた。