加工度が低く大量生産であると同時に、物流コストが高い需要者密着型産業。ユーザー依存である一方、素材やデザインによる差別化成功例も存在
包装資材の商品の特徴として、基本的には大規模設備による大量生産であり、薄利多売で加工度の低い商品であることが挙げられる。また、ペットボトルや段ボールなどの製品は商品化すると、空洞が多くかさばるため物流コストが非常に大きく、販売先の工場と隣接した立地で製造する必要がある点も特徴である。
このように包装資材は差別化要素が少なくユーザー依存の構造が一般的であるが、一方で高付加価値製品も登場している。例えばエフピコは電子レンジで”蒸す”機能が付加された弁当容器や、熱で変形しにくいプラスチック容器などを開発している。また、飲料メーカーの内製によるものであるが、日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」は、容器の機能性、デザイン性によって優位性を築いた人気商品である。このような新素材やデザインによって差別化を図り、値下げ圧力を抑えユーザーと対等に取引している例も存在している。