【缶製品】特徴として輸送コストが高いこと、需要が川下の消費に左右されること、リサイクルが義務付けられていること、代替の脅威があり容器としての差別化が求められることが挙げられる
缶製品の商品特性として、まず輸送コストが比較的高いことが挙げられる。出荷段階では”空缶”となり効率が悪くなるため、大口取引先に対しては近隣に工場を立地するなどの対策が必要である。またこの理由から輸入品の缶製品の脅威はあまり大きくない。缶製品は商品の”容器”となるため需要は取引先メーカーの商品の販売量に依存している。特に食品向けに関してはビールやコーヒー、果物缶や魚介の缶詰の消費動向によって売上が左右される。また法規制によってリサイクルが義務づけられているという点も特徴として挙げられる。現在日本ではリサイクルルートが確立されており、経済産業省が掲げる「リサイクル率85%以上」という目標も継続して達成されており、特にスチール缶に関しては90%以上を維持している。
【ねじ・工具】汎用品は海外品の流入によって衰退し、高品質な”ものづくり”が求められる
ねじ・工具の商品の特徴は、品質の高さが求められる点である。低価格で勝負する海外輸入品の流入によって、大量生産をおこなう日系メーカーは軒並み衰退している。その中で、いまだに中小メーカーが生き残っているのは、職人の技術に支えられたものづくりのレベルが卓越しているためである。自動車や電子機器といった高い精度を求められる買い手にとって、この部分は代替しがたい価値となっている。例えばロケット発射の衝撃に耐え、瞬時に切り離しが可能な”宇宙用超精密ファスナー”や世界最小の”超微細マイクロファスナー”などは中小メーカーの”ものづくり”によって生み出されている。