顧客の多様な製造工程・商品仕様に対応するため、多品種少量生産が基本。金型、工作機械、多関節ロボットのいずれにおいても高度な技術力を要する
いずれの業界においても顧客の多様な製造工程・商品仕様に応じて対応する機械が異なるため、多種多様な商品が存在している。
金型については、材料や加工方式によって分類が可能である。金属加工用についてはその加工方式によって、プレスにより成型するプレス用、鍛造用、材料の流し込により成型する鋳造用に分けられる。また金属以外の材料では、各種プラスチック工業品を成型するプラスチック用金型、ボトルや瓶を成型するガラス用金型、自動車用部品を成型するゴム用金型に分類ができる。いずれの金型においてもマシンニングセンタをはじめとした多様な装置が使用されるが、3次元CADやCAMを利用したデジタル型の加工と併せて熟練技術者による手作業での加工が必要であり、必要とされる製造技術力は非常に高い。また金型の種類や大きさによっても設計・製造技術が大きく異なることから各社が専門分野に特化している。なお、一つの金型は数十万円のものから数千万円のものまで、種類・大きさによって多様である。また、製造期間は大型・複雑なもので6ヶ月程度かかる。
工作機械については、下図のようにいくつかの機種へと分類が可能であるが、同一の機種でも仕様が異なり、その仕様まで含めると多様な商品が存在する。主なものは円柱状の材料を削る旋盤、材料に穴をあける為のボール盤、材料表面の切削加工をおこなうフライス盤、各種加工機能をもつマシニングセンタなどが主要な工作機械である。その耐用期間は長く、償却期間は一般的には10年程度、現場では20年以上も使用されている機械もある。また製造リードタイムも長いことが一般的で、製造に1年程度かかるものもある。工作機械には手動型のものと自動型のものがあるが、近年では後者の進化が急激である。基幹部品としてNC(Numerical Control)装置があるが、この装置により設計図通りに正確な加工を自動でおこなえるようになった。近年では日本製工作機械の9割がNC装置をつけていると言われており、国内外で自動化の流れが進んでいる。
多関節ロボットについても、その作業内容によっていくつかの分類ができる。樹脂の射出成型で利用される樹脂成型ロボット、溶接で利用される溶接ロボット、半導体の組み立てで利用される半導体実装ロボット、機械加工で利用される機械加工ロボットなどが代表例である。ロボットについては、ロボットの外殻を構成する構造部、駆動部品や電動部品から成る機械部、システム制御を行う電気制御部、各種センサーを備えた検出部から構成される。精密モーターや制御システムなど、設計・製造で高度な技術が必要とされる。また定期的にメンテナンスが必要であり、アフターサービス需要が安定的に発生する商品でもある。