建機、農機、漁業機器それぞれについて特徴を説明する。
【建機】代表的な油圧ショベルを中心に、建設重作業を補助する機械。過酷な環境で使用される為、定期的なメンテナンス需要が発生する
建機は土木工事や建築工事の際に利用される機械であり、重量物の運搬や整地、切削などの重作業をおこなう。利用される環境が工事現場や鉱山など過酷であることから耐久性や安全性が重視され、製造には技術力を要する。またオイル、油圧ホース、エンジン、フィルター、スプロケット、ローラー、バケット、バケットのツメなど消耗品も多く、一定の期間でメンテナンス需要が発生する。建機にはブルドーザー、ホイールローダー、油圧シャベル、ミニショベル、建設用クレーン、道路機械などが建設現場により多様な製品が存在するが、代表的な製品は油圧ショベルであり、建機市場の約5割を占めると言われる。油圧ショベルは、建設現場で複数の作業をこなせるため汎用性が高く、世界で一般的に普及している。
なお、近年はGPS機能・ネットワーク機能を搭載し、遠隔管理や稼働時間・稼働状況などを確認できるシステムも構築されており、参入各社はサービスの向上や需要予測に活用している。
【農機】代表的なトラクターを中心に、農作業を効率的に進めるための機械。建機同様使用環境が過酷であることから、耐久性や安全性が求められ、定期メンテナンスが発生する
農機は、重労働になりがちな整地、耕作、収穫などの農作業を補助する目的で発達した機械である。農業には稲作・畑作・酪農などの種類、起工から収穫や脱穀などのプロセス、そして適切な栽培条件の異なる多様な農作物の種類があることから、作業の種類が多く、そのため農機もそれぞれの領域で独自の発展を遂げている。商品については多品種少量生産が基本であり汎用化・標準化が容易ではない。また、農業に季節性が存在することから農機の需要にも季節変動があり、春季に需要される田植え機や育苗機、夏季に需要される除草機や防除機、秋季に需要される刈り取り機・脱穀機などがある。ただし、汎用的なトラクターなどの農機も存在し、農作業の原動力として整地や芝刈り、軽作業など多種の農作業で利用されている機種もある。農機は建機同様過酷な使用条件であることから保守や整備の需要が定期的に発生する点も特徴のひとつである。
【漁業機器】魚群探知機や揚網装置など、漁業を効率的におこなうために欠かせない機械。経年劣化が早く、定期的な需要が発生する
漁業機器は、漁業で利用される漁網、それを引き上げる原動機付の揚網装置、魚体を保蔵する冷蔵庫などを含む。いずれも原始的な漁業から進化し、出来る限り効率的に漁業をおこないたいという需要を捉え発展してきた。漁業機器の主要な品目については、魚群を音波で探知する魚群探知機、網を引き揚げる揚網・揚縄装置、自動的に釣りをおこなう釣り装置、漁獲した魚体を保存する魚体保蔵装置などに分類される。いずれにおいても洋上で使用されることから経年劣化も早く、定期的な需要が発生する点が製品上の特長である。