鉄道車両の製造は人手と時間がかかる重厚長大型の産業。用途先別でみるとJR向けが多い
鉄道車両メーカーの取扱商品は車両と部品に分類できる。
車両には電車、機関車(電気・ディーゼル)、貨車、客車などがあるが、近年ではそのほとんどを電車が占め、車両数ベースで概ね8割が電車、貨物輸送をおこなう機関車・貨車が2割程度、客車の新造は観光向けなどに限られほとんどない状況である。2023年度の鉄道車両の生産額では、JRグループ向けが49%を占め、民鉄等が33%、輸出が18%である。いずれの車両も鉄道会社が定めた仕様に基づき設計がおこなわれるため、製品は多種多様である。車両の製造には非常に長い時間とコストがかかる。過去生産したリピート車の場合10~12ヵ月、新設計の電車(在来線)の場合18~22ヵ月、新設計の新幹線の場合30ヶ月以上を要する。
部品は大きく5つに分類される。「動力発生装置」はモーターやディーゼル機関など車両を動かす動力となる部品、「動力伝達装置」は変速機や推進軸など動力を車輪に伝達する部品である。他、「台車・車体用品」、「ブレーキ装置」、「電気機器」がある。特に、電気機器は部品出荷額の中でも半分以上を占め、電車の電子制御化や情報化が進む中で重要度を増してきている部品である。