商品の特徴は差別化要素が少ないこと。そのため価格やラインナップの幅での優位性が求められる。高級ブランドの商品は店舗でのストーリー性訴求など高付加価値の提案が重要
家具・インテリア業界の取扱商品として経済産業省の「工業統計」の分類を参照する。主に材質による家具の分類であり、カーテンのような繊維製品や美術品など、インテリアの中でこの分類には含まれないものもある。
取扱商品の特徴としては、技術的な差別化要素が少ないことが挙げられる。機能性やデザインのアップグレードは少なからずあるものの、消費マインドを動かすほどの変化は起きにくいため、壊れた際の「買い替え需要」が主な購入機会となる。また差別化が難しいため、大規模店舗を構える企業は価格と製品ラインナップの幅で勝負する傾向が強い。「一定以上の機能性が備わった安いもの」というコスパ重視の需要が強く、コストを抑えた低価格製品で大きさやデザインが少しずつ異なる製品を幅広く揃える事で、細かなニーズに対応する事が求められる。そのため在庫量が多くなる傾向があり、物流や在庫管理の効率化は必須である。近年では、低価格化を目的とした効率化が進んだ結果、完成品の家具ではなく消費者が部品を組み立てる家具が主流になってきている。一方で、一部の高級製品に関しては、アパレルの高級ブランドと同様に店舗でのコーディネートやオーダーメイドなどの家具に奥行きを出すストーリー性が重要視され、大衆店舗の家具とは異なるブランディングが必要となる。