幅広い商品ラインナップが優位性に繋がるが、需要予測と在庫管理が重要。「気軽に入る」購買行動を捉えるためレールサイド立地が主流
生活雑貨業界の取扱商品の例として、良品計画の2023年度の売上高における商品セグメントの構成比を参照する。日常生活に必要なものを幅広く取扱い、食品においては独自の商品開発を進め、売上高比率は13%まで拡大している。それぞれの企業によってどのジャンルに比重を置くかが異なり、ヴィレッジヴァンガードは書籍やCD、ロフトは文房具といったかたちで、ブランディングに合わせて商品ラインナップが異なる。
このように幅広い商品を取り扱う事から、商品自体の差別化よりも商品の品揃えによる差別化を目指す企業が増加している。「何か発見があるかもしれない」といった消費者心理に対応するため、魅力的な商品の企画開発や調達に注力している。また特徴として、需要予測や在庫管理が非常に難しい点が挙げられる。売れ筋の商品だけを扱うわけにはいかないため、常に多くの品目を抱える必要があり在庫過多に陥りやすい。良品計画はその対策として、同一ジャンルの品目数を極力抑える方針をとっている。
店舗立地は、駅ビルや都心部の路面店などレールサイド立地が主流である。理由として、生活雑貨店に入る消費者の心理は、何か決まったものを買いに来るのではなく、ショッピングや通勤・通学の合間などに「気軽に入る」利用シーンが多く想定され、集客のしやすいレールサイドに店舗を展開する企業が多い。