メガネ・コンタクトレンズは低回転・高粗利の商品特性を持ち、顧客ニーズと商品のフィット感が重視される商品。近年では視力矯正だけでなくファッション性の高い商品や特別な機能を付加した商品が人気
メガネ・コンタクトレンズ業界の商品はメガネとコンタクトレンズに分けられる。
メガネは視力矯正用メガネ、伊達メガネ、サングラスなどが挙げられる。メガネはもともと医療関連器具であったという製品特性上、商品の回転率が低く粗利益が高い商品であり、ジュエリーなどと同様に丁寧な接客とカウンセリング、フィッティングをおこなったうえで販売する。そのため、対面販売により低回転率ながらも高単価で販売をおこなう中小のメガネ店やチェーン店が多い。ただし、近年ではメガネの中でも顧客が自ら商品を選ぶセルフ販売方式により比較的高回転率・低単価で販売する「眼鏡市場」「Zoff」「JINS」のような店舗も増加している。高齢者ほどレンズのカスタマイズが必要であることから単価が上がりやすく、高価格帯メガネの主な利用者は40代以上の中高年となっている。
以前は、メガネは視力矯正を目的に利用されていたが、メガネがファッションとして認識されたことやスポーツ人口の増加などによりファッションメガネ(ChanelやTom Fordなどインポートブランドのメガネやサングラスなど)を購入する人が増加している。また、3段階に定められた価格でメガネを販売する3プライスプレイヤーであるZoffの「着替えるメガネ」など、低価格のファッションメガネも浸透している。低価格チェーンの進出による競争の激化などを背景に、パソコンなどから発せられるブルーライトから眼を守る「JINS PC」や軽さとかけ心地を追求した「フリーフィット」などの機能性を高めたメガネの人気も高まった。最近ではメガネ型ウェアラブルデバイスも発売されるなど、更に高機能な製品が生まれている。
コンタクトレンズには視力矯正用コンタクトレンズのほか、瞳の色を変えるカラーコンタクトレンズ、瞳を大きく見せるサークルレンズなどがある。コンタクトレンズの主な利用者は20代・30代の若年層が中心で、瞳のおしゃれのためにカラーコンタクトレンズやサークルレンズを利用する人が増加している。