アミューズメント機器業界の商品は「遊技機」と「アミューズメントマシン」に大別される
アミューズメント機器業界の商品は、主にパチンコ・スロットを指す「遊技機」と、ゲームセンター向けの「アミューズメントマシン(AM)」があり、2つの産業の主要プレイヤーも異なっている。以下は遊技機とAMに関しての特徴を説明する。
まず、遊技機は主に「ぱちんこ遊技機」と「回胴式遊技機」からなる。それぞれパチンコとパチスロの呼称である。パチンコには遊戯者の技術介入の要素はほとんどなく、一方パチスロにはその要素が多少存在している。両者に共通する特徴としては、商品の差別化要素が少なく、ライフサイクルも短いという点が挙げられる。厳しい規制により、機能としての差異をほとんど作ることができないため、メーカーは版権によるコンテンツでの差別化を図っている。製品のライフサイクルは、規制内容が常に見直され続けていること、コンテンツの流行のうつり変りが激しいことから非常に短く、常に新商品を開発し続ける必要がある。
次にAMだが、主に「テレビゲーム」、「メダルゲーム」、「AMベンダー」、「音楽ゲーム」、「景品提供機」、「キッズカードゲーム」といった商品がある。近年の特徴として、メーカーがネットワーク利用料というレベニューシェア制度を設置先施設に課すようになっている点が挙げられる。かつてはメーカーの主な収入はゲームセンターへの製品販売高であったが、レベニューシェアでは製品の代金を安く設定する代わりに施設での消費者の利用に比例したネットワークやコンテンツの使用量を課す。これによって施設側は初期投資を抑えることができ、メーカー側も稼働に応じて安定的な収入構造を得ることができる。また、カードやチップ類を利用したゲームや、クレーンゲームの景品などの売上高も大きい。