ジェット機は、座席数や航続距離などからビジネス機・プライベート機、リージョナルジェット機、細胴機、広胴機などに分類される
航空・航空部品の商品の特徴を、航空機の分類と部品の分類を参照しながらみていく。
まず航空機は、プロペラを回転させて動力とするプロペラ機と、燃焼によるジェットを後方に吹き出して動力とするジェット機に大別される。ビジネス機・プライベート機といった小型機では、HondaJetのようなジェット機とBeechcraft King Airなどのプロペラ(ターボプロップ)機が存在する。より大きな機材では高速度が出せるジェット機が主流であり、厳密な定義は定まっていないものの、席数や路線距離から大きく3種類に分類ができる。
座席が100席以下、航続距離2,000km以内といった水準の航空機はリージョナルジェット機と呼ばれる。国内あるいは周辺国への輸送において利用される。リージョナルジェットでは、カナダのBombardierとブラジルのEmbraerによる2強体制が続いている。
これより航続距離が長くなるとさらに2つに分類でき、比較的胴体部が細く客席通路が1本のみの細胴機(座席数約200以下)と胴体部が広く客席通路が2本存在する広胴機(同約200以上)に分かれる。いずれも航空・航空部品のメインの市場であり、Boeing、Airbus社の独壇場でもある。なお、防衛機については完成品輸入以外に国内製造がなされることも多く、海外企業との提携・ライセンス供与により大手重工系が生産をおこなっている。
航空機・航空部品は安全性を重視されることから高品質な製品が求められ、メーカーは研究開発も含めた多大なコストを負担する。高いコストに加え、開発・製造にかかる期間の長さも特徴で、強固な財務基盤と長い目線での経営が必要
航空機を構成する部品は約300万点あると言われる。そのいずれもが安全性を重視した部品であり、商品特性として品質が前提条件として求められる。またそれだけの部品点数があるために、航空機一台をつくるためには多大な時間とコストがかかってくる点も特徴である。一般的に開発には10年かかるといわれ、高コストである背景から国際的に共同開発体制がとられることが多い。航空機のサプライチェーンの中では、特に、航空機の部品を構成する大型鍛造品、CMC及びその原材料であるSiC繊維、CFRPの原材料である炭素繊維に留意する必要があり、それらの安定供給を確保することで我が国のサプライチェーンの強靱化につながると考えられる。
航空部品は大くくりで原動機、機体、装備品に分けることができる。原動機は航空機の動力の要となる部品である。ターボファンエンジンやターボプロップエンジンなど空気を圧縮して燃焼させ後方に押し出すことで推進する。機体は胴体や主翼などであり、日本メーカーの強い領域である。装備品は数多くの種類が存在し、航空機の制御システムや電源システムなどのシステムやギャレー(厨房)、化粧室などの内装設備まで存在する。部品により必要な技術基盤が異なり、商品特性も異なってくる。システム関係は逐一カスタマイズする必要がある一方、ギャレーや化粧室はある程度型にはまったものを提供できるという意味で製造方法も変わってくる。ただし、いずれも高度の高い特殊な環境下でも安定的に稼働するための工夫・品質レベルが求められる。