大きくタクシーとハイヤーに分けられ、車両数はタクシーが大半を占める。近年は市場縮小を受けてさまざまなサービスへの参入が進む
タクシー業界のサービスは、大きくタクシーとハイヤーに分けられる。道路運送法で区分されてはいないが、基本的には営業形態の違いによって呼び方が変わる。タクシーの営業形態としては「流し」、「無線」、「車庫待ち」の3つが挙げられる。「流し」は営業区域内を巡回したり、乗客が多い駅前などで待機する形態である。「無線」は「流し」中にオペレーターから指示され迎車に向かう形態である。「車庫待ち」は営業所などでドライバーが待機するもので、もっとも労働時間が長く認められている形態となっている。一方ハイヤーは、高級車での高品質な送迎をおこなう業態で、事前予約が一般的である。タクシー・ハイヤー業界の大半はタクシー事業であり、ハイヤーは全車両数の数%程度にとどまる。
近年の市場縮小を受け、タクシー業界では他のサービスへの参入による多角化が進んでいる。主な参入サービスとして、福祉タクシー・救援事業・乗合タクシー・運転代行が挙げられる。福祉タクシーは、高齢化によって福祉・介護需要が増加していることを背景に、車いすやベッドなどでの乗車が可能な特殊な車両によって外出を支援するサービスである。救援事業は、タクシーを利用して買い物代行・薬等の受け取りや公共手続き代行・外出時の付き添いなど、さまざまな便利屋サービスを提供するものである。乗合タクシーは、観光地や過疎地域における小規模なバスのような業態となっており、貸切ではない点が特徴である。規制緩和によって定額運賃での輸送の範囲が拡大し、それ以降全国的に増加しており、特に近年は公共交通機関の無い地域への参入が見られる。運転代行は、運転手を派遣し、顧客の自動車を代わりに運転するサービスである。飲酒運転が厳罰化して以降需要が拡大している。これら以外に、近年マタニティタクシーというサービスも登場しており、緊急時の対応ができるよう講習を受けたドライバーが、妊娠中の外出や通院などをサポートする。