対象とする業界・商品分野は広い。トレーディング機能と事業投資・開発・経営機能により事業の拡大をグローバルに展開
総合商社は、資源・エネルギーやインフラ、機械から、繊維・食品などの生活関連分野まで、あらゆる産業を横断的に扱うのが特徴である。
資源分野では、石油・天然ガス・LNG・石炭・銅・鉄鉱石などの資源開発・取引を行い、近年は再生可能エネルギーや水素、アンモニアなど脱炭素関連事業への投資も拡大している。機械・インフラ分野では、建設機械・発電設備・鉄道・航空機・自動車などを取り扱い、発電所や上下水道、交通網などの大型インフラの運営にも参画している。食品や消費関連では、穀物・油脂・畜産物・水産物などの原料から、加工食品・飲料・日用品に至るまでを広く取り扱い、国内外のメーカーや小売チェーンと連携して流通網を構築している。繊維・衣料・医薬原料などの生活産業も重要な分野である。また、デジタル化の進展に伴い、通信インフラやデータセンター、AI・IoTを活用したサプライチェーン最適化など、ICT関連事業への取り組みも拡大している。
これらの事業分野において、総合商社はトレーディング機能とそれに付随したロジスティックス機能や情報・調査機能、市場開拓機能を提供している。また大型のプロジェクトなどにおいて、複数の企業をとりまとめるオーガナイザーとしての役割を果たすことも多い。一方、事業投資・開発・経営機能により、出資やM&Aなど多様な手法を通じて新たな事業・分野に進出し事業の拡大を図っている。さらに、金融・リスクマネジメントといった基盤機能を併せ持ち、取引の資金調達や為替・信用リスクの管理を自ら行う。
総合商社は、世界各地に広がるネットワークを活かし、調達から販売までのバリューチェーンを統合的にマネジメントする体制を築いている。これらを通じて、産業全体のハブとして、経済活動の進化と社会課題の解決を支える重要な役割を果たしている。