警備業は4種類に大別される。施設やイベントなどの警備が9割を占める。機械警備によって保険や住宅の同時契約や高付加価値サービスの幅が拡大
警備保障業界の取扱いサービスとして、一般社団法人全国警備業協会のホームページより警備業の業務分類を参照する。警備業は大きく1号から4号までの4つの業務に大別されており、施設の警備をおこなう1号業務、人や車両が通行する場所の警備をおこなう2号業務、運搬中の貴重品等の警備をおこなう3号業務、人の身体警備をおこなう4号業務となっている。また警察庁の「警備業の概況」から2023年の参入業者数の割合をみると、1号業務と2号業務を手がける業者がおよそ7割を占めていることが分かる。これらの業務の中での違いとしては、1号、3号、4号は比較的長期契約によるサービスであるが、一方、2号業務はイベントなどの警備となるため、スポットでの契約が多い点が挙げられる。また、1号業務の中に機械警備が含まれているが、センサーや監視カメラによる自動化されたサービスであるため必要な人員が少なく、警備員を派遣する労働集約的な他の業務とは異なっている。
サービスの契約についての特徴として、警備業務と同時に損害保険や火災保険など賠償の同時加入や、施設の建設と同時に防犯・防火設備が併売されることが多くなっていることが挙げられる。機械警備が台頭したことによって、建設の際に防犯システムを導入することが可能となり、例えばセコムは自社で建築設備工事会社や損害保険会社を保有することで、包括的な商品販売をおこなうようになっている。また機械警備によって新たな高付加価値サービスも生まれている。高齢者向けの非常呼び出しボタンや転倒センサーなどを付随した見守りサービスや、子供の留守番に対応したサービスなど、こうしたラインナップが拡大している。