医療法人は医療サービスを提供する社団または財団。患者が適切な治療を受けられるよう支援する診療報酬のしくみも業界理解の上では留意が必要
医療機関は、内科・外科・精神科・皮膚科・眼科・耳鼻科・歯科などの診療科目に区分される。また、医療施設は医療法により、大きく病院と診療所の2つに分類される。病床数が20床以上を「病院」、19床以下もしくは無床を「診療所」という。病床は、入院患者の特性に応じてさらに「一般病床」、長期の療養が必要な患者を入院させる「療養病床」、精神疾患を有する患者を入院させる「精神病床」、結核患者を入院させる「結核病床」、感染症患者を入院させる「感染症病床」の5つに分類される。診療所に設置できるのは制度上一般病床と療養病床に限られている。
また、病院については、地域医療機関を支援し高度医療を担う地域医療支援病院や、高度先端医療を提供する特定機能病院(大学病院など)の分類がなされることもある。各医療組織が効率的に医療サービスの提供ができるよう、機能分化がおこなわれている。
医療法人は、これらの病院・診療所の経営主体が社団または財団であるものをいう。法人化の目的は、医療の非営利性を保ちつつ医療経営の安定性・永続性・継続性を確保することである。法人化するメリットとしては、金融機関や取引先に対する信用力を高めることができる、役員報酬を給与所得として扱え給与所得控除を適用できるなどがある。一方で、剰余金の配当ができない非営利性や、知事による指導監督の厳格化などの制約も存在する。
日本においては、診療報酬は医療保険制度により公的に定められている。そのため、医療費の内訳を明朗に把握し、保険者との医療費のやり取りもレセプト(診療報酬明細書)により明確にすることが求められる。レセプトは、請求内容が適切なものかを審査機関が審査し、不正請求や過誤請求を防ぐ仕組みとなっている。医療法人の多くは、レセプト・診療報酬管理をシステム集約し、事務処理の効率化を図っている。